20年にわたる調査で判明!将来子どもに本当に必要なスキルとは

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2015.08.12

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親なら誰もが、我が子によりよい人生を歩んでほしいと願うもの。でも、子どもが小さいうちから、将来のためにしてあげられることはあるのかしら? そう悩む未就学児ママのヒントになる研究がアメリカで公表され、熱い視線を浴びています。

カギは「保育園時代」と「社会的スキル」。『Daily Mail Online』で紹介された記事を参考に、詳細をチェックしてみましょう。

■保育園児の社会的スキルを8項目で評価

アメリカのペンシルベニア州立大学が、保育園児を約20年間にわたり追跡調査して行った研究結果を公表しました。

それは、幼児期に高い社会的スキルを身につけた子どもたちは、将来人生が“うまくいく”確率が高い、というもの。ここでいう社会的スキルとは、コミュニケーション能力や協調性のことです。

研究ではまず、20年ほど前に保育園の先生たちに協力してもらい、約700人の子どもたちの社会的スキルを「他の人に優しくできる」「ものを分け合える」「友だちとの問題を自分で解決しようとする」など8項目について5段階で評価しました。

さらに、その子どもたちが25歳になったとき、「教育・就職状況」「公的扶助の利用状況」「逮捕歴」「薬物やアルコールの乱用の有無」「精神の健康状態」の5項目について現状を調査し、保育園児時代の評価と比較したのです。

かなり気の長い研究ですが、幼い子どもを持つママは結果が気になるのでは?

そう、幼年時の社会的スキルのスコアと、25歳時の評価には関連があったのです。

■たった1ポイント増で大学卒業率は2倍!

20年近くをかけたこの研究で、保育園の先生たちに「社会的スキルを身につけている」と太鼓判を押された子どもは、25歳になったときに違いが見られました。そうでない子どもにくらべると、大学を卒業していたり、フルタイムの仕事に就いたりしていることが多く、逮捕歴を持つケースも少なかったというのです。

具体的には、保育園時代の社会的スキル8項目の評価が1ポイント増えると、その子が将来大学に行き卒業する確率は2倍に。25歳までにフルタイムの職を見つける確率も、そうでない場合にくらべ46%増加していました。

また、この評価が1ポイント減ると、その子が将来、25歳までに罪を犯し逮捕される可能性は67%も増加し、25歳までに(低所得者向けの)公共住宅に申し込んでいる確率も82%も高まっていたのです。

つまり、子ども時代に社会的スキルを身につけることが、将来のよりよい人生に直結しているようなのです。

■思いやりある子に育てることの効果とは

この調査は、ペンシルベニア州立大学を含む4つの大学が共同で行った「ファストトラックプロジェクト」に参加した子どもたちが対象になっています。このプロジェクトは、人種や家庭の経済状況など、さまざまなリスクを抱える子どものための特別プログラム。そのため調査結果も、そうしたリスクに影響を受け、振り幅が大きめなようです。

とはいえ、幼いころの気質が将来に大きくかかわっているという調査結果は、子どもを育てていく上でかなり重要なヒントを提供してくれていると思いませんか?

調査に携わった研究機関の主任研究員、デーモン・ジョーンズ氏はいいます。「この調査とほかの研究とを組み合わせると、子どもたちの社会的スキルを高める手助けをすることが、将来の成功のチャンスを拡大させているといえます」

幼い子ども時代にいかにコミュニケーション能力や協調性を身につけさせるかは、幼児教育の現場でこれまでも重視されてきた大きなテーマ。長い間研究され、たくさんの書籍が出版されていますし、保育士さんたちのノウハウ蓄積もあります。それらを活かせば、わが子の将来をよりよい方向へと導くことができるというわけです。

ジョーンズ氏は、「社会的、感情的なスキルは磨くことが可能です。そして今回の研究で、そのスキルは幼児期に簡単な方法で測ることができると証明されたのです」と話します。

わが子が思いやりのある子になるように心を砕くことが、子どものよりよい将来のための第一歩なのかもしれません。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

Children who demonstrate social skills at a young age more likely to have a good job -Daily Mail Online

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