野菜がおいしくなるけど意外と難しい「50℃洗い」成功のヒント

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2015.08.13

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「ヒートショック」という現象によって葉っぱの表面の気孔が開くため、細胞が水分を取り込んでみずみずしく蘇る魔法の調理法、それが「50℃洗い」。

野菜は採りたてさながらの鮮度になり、肉や魚からはうまみが引き出され、雑菌が落ち、甘味が増える……など、いいこと尽くめの調理法です。

しかし、絶対に守らなければならない注意点もありました。

それは「温度」。

範囲は約48~52℃。しかも43℃以下は菌が繁殖するのでNGという、なかなか厳しい鉄板ルールがあるのです。そのため、「試してみたものの、やめてしまった」という人も多いのでは?

でも、そんな方に朗報です! 人気の管理栄養士である望月理恵子さんが、50℃洗いの簡単なコツを教えてくださったのです。

■「50℃洗い」中は48~52℃を維持しないとダメ

望月さんも、「50℃洗いをすると汚れが落ちやすく、鮮度がよくなったり、旨味が増えたりします。保存性も高まりますが、温度を間違えるとこれらの効果が逆に働くこともあります」と警鐘を鳴らします。

40℃前後の低温で洗うと逆に雑菌が増えたり、60℃以上になると野菜の細胞膜が壊れたり、旨味が逃げ出してしまうのだとか。

さらに食材によって洗う時間が異なり、洗う時間が短いと効果が期待できず、長く洗えばシナってしまうことも……。

たしかに、洗浄時間の目安は野菜だとホウレンソウやレタスなどの葉物が15~20秒、ブロッコリやアスパラガスが2~4分などさまざまです。

「イメージとしては柔らかい野菜は15~20秒、少々硬い野菜は2~4分、歯ごたえある硬いものは5~6分とするとわかりやすい」のだといいます。

次は望月さんが教えてくれた「超簡単50℃洗い」の詳細を見ていきましょう。

■温度計を使って「50℃洗い」をうまく行う方法

(1)ボウルにお湯を入れて温度を50℃に合わせる

(2)洗う食材を入れる

ほうれん草や小松菜は束のまま、キャベツやレタスは1枚ずつ葉を取って、細かいものはザルにいれて浸します。温度が下がってきたら足し湯で調整。

(3)お湯から上げて水気を切る

水気は鮮度を落とすことになるので、すぐに使用しない場合はあら熱と水気をしっかり切ってから、乾燥しないよう袋や新聞紙に包んで冷蔵庫で保存します。

ただし、肉や魚、貝類は50℃洗いした後はすぐに使いましょう。(保存はNG)

■温度計を使わず「50℃洗い」をうまく行う方法

「水道水を沸騰させると100℃です。そして常温の水道水は約15℃ほど。沸騰させたお湯に常温の水道水を同量入れると、50℃の温度に近づきます。このとき、ボウルに一度お湯を入れ、温めておくと冷めにくくなります」と望月さん。

また、給湯器で温度を50℃に設定して、流し湯にする手段も……。

温度はすぐ下がりやりやすいので、慣れるまでは温度計で調節したほうがベター。目安は指先を入れて「熱い」と感じるほどの温度だそうです。

ちょっと大変ではあるけれど、おいしい料理を楽しむためのハードルと思えば、トライする価値は充分。洗う時間が少ないレタスやキャベツから始めてみたいですね!

ちなみに、「油の多い」お肉や魚は50℃洗いには不向き。理由は、お肉やお魚の脂肪の融点です。

それぞれの脂肪の融点は羊脂44~49℃、牛脂40~50℃、豚脂33~46℃、鶏脂30~32℃。魚の脂は基本的には液体で存在していて、常温では溶けた状態。融点よりも高い50℃のお湯で洗うと脂が溶け出し、旨味が減ってしまうことになるのです。

調理する食材に合わせて50℃洗いを使い分け、おいしい食卓を楽しんでくださいね。

(文/渋谷ふみ)

 

【取材協力】

望月理恵子・・・管理栄養士、サプリメントアドバイザー、ビタミンアドバイザー。調剤薬局、サプリメント会社に勤務後、独立。強制・禁止などの指導ではない“楽しく自然に身に付く栄養カウンセリング”と、アンチエイジングクリニックや皮膚科などで美容・肩こり・冷え・眼精疲労など“健康な人にもおこりうる悩みに対してのカウンセリング”を得意とする。現在は、健康検定協会を運営しながら、栄養専門誌など、幅広い媒体で執筆活動中。

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