給料上がっても仕事のモチベーションは上がらないことが明らかに

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2015.08.13

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「給料は高ければ高いほどいい!」「私の給料も、もっと高ければいいのに」と誰もが思っていることでしょう。

しかし驚くべきことに、実は昇給にはデメリットもあることが『Harvard Business Review』で判明したのです。

給料が上がればやる気が出て、仕事でいい結果が出せる。そんな常識が覆されようとしています。

■給料ひとつで仕事に満足するわけではない

お金は仕事を楽しくしてくれるのでしょうか? それとも、給料が高くなるとやる気は削がれるのでしょうか? そもそも私たちは、お金のために仕事をしているのでしょうか?

この疑問に答えるべく、研究では過去120年にわたる15,000人のデータと、115の相互関係を分析しました。

すると、給料と仕事への満足感の関係は弱いということがわかったのです。この相関性はわずか2%以下なのだそう。

ちなみにアメリカ、イギリス、オーストラリア、インド、台湾でも大きな差はありませんでした。また、給料が高い人と低い人にも、仕事への満足感の差は見られませんでした。

管理職の立場にある人は、よくおぼえておかなければなりません。恐るべきことに、お金はモチベーションを上げてはくれないのです。

■むしろ給料のアップでやる気がなくなる

ではお金はやる気を削ぐのでしょうか? 実は、給料を上げることでモチベーションが下がるという意見があります。

モチベーションには外因性のものと内因性のものがあるといわれています。

つまり、働く理由がお金などの外的要因にあることが「外因性のモチベーション」、やりがいを感じるために働くことが「内因性のモチベーション」だということです。

そして給料が上がることにより、内因性のモチベーション、仕事を楽しむこと、チャレンジすること、自己実現といったものが失われてしまうという考え方なのです。

ある研究では128の実験を行い、仕事へのモチベーションを調査しました。基本的には意味がなく退屈な作業よりも、おもしろい作業のほうがモチベーションが高まります。

しかしその上で成果に合わせた報酬を与えると、なんとおもしろい作業へのモチベーションが25%も下がってしまうことがわかったのでした。

さらにこの報酬が、「現金などの触れられるもの」「予測できるもの」「あらかじめいくらもらえるのかわかっている場合」だったとき、モチベーションの低下は35%にも及びました。

仕事にやりがいを感じている場合、お金はモチベーションを下げてしまうのです。

なお、つまらない作業の場合は報酬は有効で、モチベーションが上がったそうです。

■やりがいのために働く人のほうがやる気

別な研究では、実際にアメリカで公務員として働いている20万人のデータを分析しています。

すると、働く理由が「お金などの報酬」の人より、「やりがい」の人のほうが3倍も仕事に対するモチベーションが高いことがわかりました。報酬へのこだわりとやりがいは反比例しているようです。

報酬にあまり興味がない人は仕事にやりがいを感じていることが多く、報酬にこだわる人は仕事にあまりやりがいを感じていないことがわかったのです。当然やりがいを感じている人はモチベーションが高く、そうでない人はモチベーションが低いため、その差は3倍も開いてしまいました。

もともと仕事が嫌いなのか、収入にこだわるあまり仕事がやりたくなくなっているのかは明確ではありませんが、お金にこだわり過ぎるのはよくないようです。

■給料よりも楽しく仕事ができるようにしよう

社員のモチベーションを上げたいなら、報酬を増やすのは有効ではありません。それよりも、その仕事を楽しめるように指導するほうがいいようです。仕事におもしろいポイントを見つけ、楽しく仕事ができるように導くのがいちばんの近道です。

働く側としても、給料や結果を楽しみにするよりも、仕事そのものを楽しめるように、考え方を変えたほうが毎日楽しく過ごせそうです。

誰しも働かなくては生きていけません。人は人生のほとんどの時間を会社で過ごしている、という話もあります。どうせ働くなら、やりがいを見つけて、楽しく働きましょう!

(文/スケルトンワークス)

 

【参考】

Does Money Really Affect Motivation? A Review of the Research―Harvard Business Review

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