温度を「1℃」変えるだけで大違い!健康になれるお風呂の入り方

  • LINEで送る
2015.08.16

DSC_0184

「暑いし、面倒だし、夏はシャワーで充分!」と思っている人も多いことでしょう。でも、「夏こそ、お風呂に入ってほしい」と提唱するのが、東京都市大教授で温泉療法専門医の早坂信哉さんです。

なぜなら、入浴すると毛穴が開いて体の汚れが落ちやすくなり、冷房で冷えた体を温めることもできるから。これは、シャワーだけでは得られない素晴らしい健康効果です。

長年、大学でお風呂の効果を研究してきた早坂さんは、著書『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)のなかで、入浴の温度を1℃、湯船に浸かる時間を1分変えるだけで、体への効果はまったく変わってきますと主張しています。

普段からお風呂派を自負する人も、まさに目からウロコ……。医学的に正しいお風呂の入り方はもちろん、気になる症状や目的に合ったお風呂の温度や時間、入り方が指南されています。その一部をご紹介しましょう。

■実はお風呂の温度は42℃が分かれ目

熱いお湯が好きという人もいれば、ぬるま湯にゆっくり、という人も。でも実は、42℃を境にして体に働く効果は、まったく逆になるそうです。

42℃以上の熱い湯に入ると、交感神経が高ぶり、興奮状態に。血圧が上がり、脈が早まり、汗をかきますが、内臓の働きは鈍くなります。

一方、40℃程度のぬるま湯は、副交感神経を刺激するので、心身をリラックスさせることに。血圧は下がり、汗もかきません。内臓の働きが活発になり、消化がよくなるそうです。

わずか2℃という温度差で、得られる効果は真逆になるというのが、お風呂の不思議な力。この効果を利用し、自分の体調や目的に合った入浴法を取り入れましょう。

■痩せたいなら食前40℃のお湯に15分

「お風呂に入っただけでは、カロリー消費は見込めません」と、早坂さん。熱いお湯で汗をだらだらかいても水分を失うだけで、残念ながら痩せるわけではないのです。

そこで効果的なのが、食前に40℃のお湯に15分入るという入浴法。

体の表面に血液がまわって、一時的に胃腸の働きが抑制され、食欲が抑えられるというわけです。夏場なら、30℃くらいのかなりぬるい湯に入り、足を曲げ伸ばすなどの運動をすれば、さらにダイエットによいでしょう。

■生理痛には40℃のお湯に15分で入る

毎月1度は訪れる不快な症状といえば、生理痛。ホルモンや子宮の変化が原因で起きるため、入浴して体を温めて血流をよくすることで症状は和らぎます。もちろん、月経前後の体調不良にも有効です。

生理の初日は、40℃程度のシャワーを浴びます。そのとき、足湯を併用してもいいそうです。

入浴するのは、3~4日目から。40℃のお湯に15分入浴し、最後に42℃に設定して追い炊きし、下半身を温めます。

もし、イライラしているなら、ぬるま湯にゆっくり入るといいでしょう。

■便秘や下痢は38~40℃のお湯に15~20分

ぬるま湯に毎日浸かることで、胃腸に血流が行って消化活動が活発になるため、便秘に効くという研究結果もあるそうです。

38~40℃のお湯に15~20分浸かりながら、おへその周りに「の」の字を描くようにマッサージするとより効果が得られます。

ウイルス性や食あたりのような、急性の下痢のときは、入浴は控えたほうがいいですが、ストレス性の便秘や下痢なら、40℃以下のぬるま湯にゆっくり入って、副交感神経を優位にしましょう。緊張がほぐれ、リラックスすることで、消化活動も活発になります。

ただし、下痢のときは、脱水症状になりやすいので、入浴前後の水分補給もお忘れなく。

このほか、肩こり、胃痛、頭痛、筋肉痛、冷え性など、29の症状や目的に合った入浴法が、本書では紹介されています。

■毎日お風呂に入っている人は健康で幸せ!

静岡県で約3,000人を対象にしたアンケートによると、「毎日湯船に入っている人」のほうが、よく眠れる割合が高い傾向にあったそうです。

しかも自分のことを健康だと感じたり、幸福だと感じたりする人の割合も、毎日お風呂に入っている人のほうが高いという結果が得られたそうですよ。

体を清潔に保つために欠かせない入浴タイム。せっかくなら上手に活用し、心も体も元気になりましょう。

(文/山本裕美)

 

【参考】

早坂信哉(2015)『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』KADOKAWA

関連記事