1トンの大気が偏頭痛を呼ぶ?気象と人体に関する都市伝説を解明

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2015.08.17

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「雨の日は関節が痛む」「低気圧の日は頭痛がする」など、巷には気象と人のからだや体調にまつわる都市伝説が数多く存在します。もっともらしくて納得してしまいそうですが、実際どれほど信ぴょう性があるのか、気になりませんか?

今回は、海外メディア『BBC』を参考に、気象と人体にまつわる都市伝説の真偽を科学的に検証してみましょう。

■1:雨の日は関節が痛む――【真偽ははっきりしない】

この悩み、よく聞きますよね。実際、雨の日や強風の日にリウマチが悪化し関節が痛むという事例はいくつも報告されていますが、じつは天気とリウマチ症状のはっきりとした関連性を示す根拠はいまだ見つかっていません。

それどころか、2011年に9つの研究をもとにまとめられた報告書は、「関節リウマチの症状と天候には確実な関係はない」とさえいい切っています。

いまのところ、「雨の日には関節が痛む」というのはただの“確証バイアス”だろうというのが通説です。確証バイアスとは、自分の都合のよい情報だけを信じ、集めてしまう傾向、つまり“思い込み”のこと。雨と関節痛との関連を信じている人は、それだけで雨の日には不快感を抱く傾向があるよう。いまだに賛否両論あるテーマです。

■2:気圧が低くなると頭痛がする――【真】

理由なく気分が落ち込んでいるとしたら、それは気圧のせいかもしれません。なにしろ、私たちの頭の上には、常に1トンもの大気が浮かんでいるのです。

獨協医科大学の木元一仁氏率いる研究チームは、28人の偏頭痛患者に1年間、頭痛の症状を日記につけてもらい、毎日の気圧状態と比較する研究を行いました。そして、頭痛が気圧の低下とかなりの頻度で一致することを発見したのです。

このほかに気圧の状態と鎮痛剤の売上を比較した研究もあり、そこでは気圧の低下に反比例して鎮痛剤の売上が上がっていることが証明されています。

気圧の低下が、平衡感覚をつかさどるシステムを崩壊させることがその理由ではないかと考えられています。

■3:寒い時期は心臓発作が増える――【真】

冬は心臓発作が増加します。中国のある研究によると、心臓疾患による死亡が、春と夏に比較して40%も上昇するといいます。

数十年にわたる研究にも関わらず、ちゃんとした理由はわかっていません。しかし中国では、気温が低くなると血圧が上がるようだという研究結果もあります。血圧の上昇は心臓発作のリスクを高める一因として知られていますから、このあたりに理由があるようです。

■4:気候がよい時には男の子を妊娠する――【真の可能性が高い】

どんな状況下でも、男女が生まれる確率は半々だと思っている人が大半でしょう。しかしその確率は気候にも左右されているというのです。

北半球では、平年よりも暖かい年は男の子を妊娠する傾向が強いとされています。また、1952年にロンドンで発生した大規模な大気汚染公害“ロンドン・スモッグ”の期間は非常に寒く、その9か月後に誕生した赤ちゃんは、女の子が多かったという報告もあります。

なぜこのようなことが起きるのかは、まったくの謎です。気温がホルモンバランスや精子の産生具合を変えているかもしれません。人間が環境に適応し“種”を維持するための工夫だ、と考える人もいます。

とはいえ影響は軽微なものであり、地域によっても異なります。学問的にはとてもおもしろいテーマですが、家族計画に応用できるようなものでは……ないようです。

■5:太陽光線のせいで亡くなる人がいる―【真の可能性が高い】

太陽は地球に絶えず“磁気嵐”や“宇宙線”と呼ばれる高エネルギー粒子を浴びせています。私たちは地球の大気に守られているはずですが、実は防ぎきれていないようなのです。

リトアニアの研究チームが25年にわたり100万人以上の死亡記録を調査。心臓病や脳卒中による死亡数のピークと、太陽の活動が活発になる時期とが重なることを発見しました。

別の調査で、太陽の活動が活発になる時期に生まれた人々は、穏やかな時期に生まれた人々とくらべて平均寿命が5年ほど短いこともわかっています。しかし原因の究明はまだこれからです。

以上、人体や体調と気象に関わる都市伝説の真偽を検証してきました。納得できるもの、信じられないものがあったのではないでしょうか?

そして、理由がわからないものが意外と多いことにも驚かされます。人体をますます神秘的なものに感じますが、この結果を信じるか信じないかは自分次第です。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

The mysterious way your body changes with the weather-BCC

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