完璧な理解がなくても人は動かせる?75%の納得感でOKな理由

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2015.08.23

suzie.20150823

『課長のための一瞬で人を動かす「数字の技術」』(深沢真太郎著、大和出版)の著者は、“数字力”トレーニングの専門家として、これまでにも数字に関連した多くの著作を発表してきた人物。

本書のテーマは「いかにしてリーダーは人を動かす力を持つか」だそうですが、つまり人を動かすためには、力のある数字が必要だという考え方に根ざしているわけです。

■ことばの多さはことばの浪費である

そんな著者は本書の冒頭で、「なにかを伝えること」の難しさに触れています。

たとえば学生時代、長くて数字だらけの説明にストレスを感じた人は少なくないでしょうし、仕事においても、数字だらけの長い話は疲れるもの。

いわば、なにかを100%理解させようとすると、説明に必要な言語は必然的に増えてしまうということです。

しかしそれでは、聞かされる側のストレスが大きくなって当然。

だからこそ、「ことばの多さはことばの浪費である」ということを理解する必要があると、著者は主張しています。

■契約に100%の理解は必要ない?

・保険を購入するに際し、その保険商品を100%理解して購入したか?

・いま使っているパソコンは、スペック(仕様)を100%理解して購入したか?

・結婚しているとして、パートナーのことを100%理解していると断言できるか?

著者はここで、このような質問を投げかけています。そして、保険の購入、パソコンの選択、結婚には共通項があるとも。

それはずばり「契約」で、つまり人は100%理解しなくとも契約できるということ。逆からいえば、相手に100%理解してもらわなくても、契約はしてもらえるということ。

人を動かすためには、相手に完璧な理解をさせることが正しいわけではないという考え方。

必要なのは100%の理解ではなく、75%の納得感を与えることだといいます。

これはどういうことなのでしょうか?

■半信半疑以上、完璧未満でOK!

すべてを理解しなくても保険を契約したのは、支出額、メリット、デメリットなどを大まかに把握し、「これがよさそうだな」という気分になったから。

つまりは自分で自分を「これがベストチョイスなんだ」と納得させたから。

パソコンも結婚も同じで、いわば人は「納得するから動く」ということ。

そして、ここで重要なのが、75%という数字は「半信半疑以上、完璧未満」であるという認識。

100%の理解は難しいからこそ、100と50の中間地点である75くらいを着地点にすべきだという考え方です。

少ない時間と少ない言語で、「なるほど、まあそうかもな」と思わせることができるようなビジネスコミュニケーションを目指せばいいわけです。

数字の専門家というと難しそうに感じるかもしれませんが、著者のアプローチはとてもソフト。

これなら、数字で人を動かす方法も無理なく学べそうです。

(文/印南敦史)

 

【参考】

深沢真太郎(2015)『課長のための一瞬で人を動かす「数字の技術」』大和出版

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