宝くじを買うのは本当に損?統計学で手元に戻ってくる金額が判明

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2015.08.25

suzie.20150825

2013年に『『統計学が最強の学問である』がベストセラーになって以来、統計学ブームが続いています。

たしかに社会が複雑になればなるほど、感覚だけで判断できることは少なくなるもの。だからこそ、統計学に基づいた判断が必要とされるのかもしれません。

とはいえ難しそうな印象もあるだけに、多くの人にとっては手を出しにくい領域でもあります。

そこでおすすめしたいのが、『統計力クイズ: そのデータから何が読みとれるのか?』(涌井良幸著、実務教育出版)。

身の回りのさまざまな統計現象に焦点を当て、経験や直感だけでなく、統計的なセンスによってどれだけ正しい判断ができるのかをクイズ形式でチェックしようというもの。

統計学とはどんなものかを、無理なく理解できるというわけです。きょうはそのなかから、宝くじに関するクイズをご紹介しましょう。

■宝くじは、買えば買うほど損をする? 儲かる?

(1)「買えば買うほど損をする」のが統計的事実だ

(2)少ない枚数では当たりハズレもあるが、たくさん買えば高額当選金が当たる確率は高くなり、結果的に儲かる確率も高くなる

さて、統計学的には上記のどちらが正解なのでしょうか?

■宝くじの「戻ってくる金額」は統計学で算出可能

宝くじを買ったとき、大儲けをするかハズレるかは個別にはわからないこと。しかし統計学的に見ると、たくさん買った際に「どのくらい戻ってくるか」を考えることは可能だそうです。

そして当たる確率と賞金額から戻ってくる平均額を算出したものを、「期待値」と呼ぶのだとか。

もし期待値が元でよりも大きくなるなら、買えば買うほど儲かるということ。

■宝くじを1枚引く場合の期待値はたった30円!

賞金1,000円が当たるくじが2本、100円が当たるくじが10本、ハズレくじが88本の合計100本のくじがあったとします。

このくじを1枚引く場合の期待値は、賞金総額3,000円をくじの総本数100で割ったもの。

(1,000 × 2 + 100 × 10 + 0 × 88)÷100 = 30円

30円の期待値は、くじを1本引くごとに期待される賞金額(戻ってくる期待額)。もちろん、1本のくじを引けば必ず30円もらえるという意味ではなく、あくまでも理論的に期待される平均金額。

つまり期待値が30円、1本引くのに50円なら、たくさん買えば買うほど損をするということになります。

そして1枚300円の宝くじで計算した場合、期待値は143円。つまり、半額以下しか戻ってこないのです。

宝くじはたくさん買えば買うほど「損をする」ようにできているわけで、冒頭のクイズの正解は(1)となります。

このように、身近な話題を通じて統計学を理解することが可能。論理的な思考を育てるためにも、読んでみてはいかがでしょうか。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※涌井良幸(2015)『統計力クイズ: そのデータから何が読みとれるのか?』実務教育出版

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