「10円玉が丸い」は思い込み?日本人に欠けている他者意識とは

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2015.09.01

suzie.20150901

『出口汪の論理的に考える力が身につく本』(出口汪著、SBクリエイティブ)の著者は、数々のベストセラーを生み出してきたカリスマ予備校講師。

最新刊となる本書では、タイトルにあるとおり「論理的な考え方」をさまざまな角度から掘り下げています。

きょうはそのなかから、特に印象的な部分を引き出してみたいと思います。

論理力をつくる「他者意識」とは?

論理力をつくる「他者意識」が、「和」を重んじてきた日本人には欠けているのだと著者はいいます。

この場合の「他者」とは「他人」という意味ではなく、「根本のところではどうやってもわかり合えない存在」だということ。

「根本のところではわかり合えない」からこそ、他者とコミュニケーションし、自分の意見を理解させるために「論理力」が不可欠だということです。

「10円玉が丸い」なんて思い込み?

そして重要なのは、人間が基本的には主観でしかものを捉えることができないという事実。

たとえば「10円玉はどんなかたちをしている?」と質問されたら、ほとんどの人が「丸い」と答えるはず。

でも、それはあくまで真上から見たときの10円玉のかたち。斜めから見たり、真横から見たりしたら、丸くは見えないはずです。

ところが多くの人が、他人も自分と同じ視点でものを見ていると思い込んでいるといいます。

しかし実際には、他の人は自分とはまったく違う視点でものを見ていたりするもの。

だからこそ日常のなかでも、「他の人はどんな角度から見ているんだろう」と考えてみる必要があるということです。

企画書でも他者意識が求められる

そしてそれは、たとえば企画書でも同じことだとか。

つまり企画書を書く際に必要なのは、「自分がなにをしたいか」ではなく、「上司はどんなものを求めているのか」「クライアントはなにを欲しがっているのか」「など、上司やクライアントの立場に立って考えてみること。

そのように論理的に考えた企画書であれば、なんの感想のことばもなく、無言で突き返されるようなことはないといいます。

相手の立場からものを見る大切さ

要するになんであれ、「立場の違う人はどう感じるのか」ということを、一度立ち止まって考えてみることが大切。

そして、仕事ができる人間は、相手の立場からものを見られる人間だと著者は断言しています。

成績のいいビジネスパーソンは、知識が豊富で売り込みがうまい人ではなく、「相手はどんなものが必要なのか」相手のメリットを提案できる人だということ。

「論理的に考える」というと難しそうに思えますが、たしかにこう考えると、論理的な考え方はあらゆることにとって大切であるようです。

これまでの著作同様、社会人2年目のOLと著者との対話形式で話が進められていく構成になっているため、読みやすさも文句なし。

リラックスしながら、論理的に考えるために大切なことを学べるはずです。

(文/印南敦史)

 

【参考】

出口汪(2015)『出口汪の論理的に考える力が身につく本』SBクリエイティブ

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