音と味覚には意外な関係が!100デシベルの店では味がしない?

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2015.09.08

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レストランで食事するとき、みなさんは料理の味、見た目、香りなどを感じていると思います。では音は?

『PRI』で紹介された最新の研究によると、料理に直接関係のない「音」も味覚の感じ方に影響を与えるというのです。100デシベルの音量では、味を感じにくくなるのだとか。一体どういうことでしょうか?

■音が大きい場所では味を感じにくくなる

オックスフォード大学で実験心理学を研究しているチャールズ・スペンス氏は、何年も音と味覚の関係について研究してきました。

「味と聞くと、ほとんどの人は甘さやしょっぱさ、香りや見た目、食感をイメージするでしょう。しかし、音を意識する人はません」

アメリカの食堂は、ここ10年ほどでどんどんうるさくなっているのだそうです。店内の音の大きさが100デシベルを超える店も少なくないといいますが、これは従業員が耳を痛める可能性のある音量です。そしてこの音量が、味覚にも影響を与えるのだというのです。

研究では、それぞれ大きい音と小さい音のホワイトノイズを聞きながら、そして無音のなかで、チップスとクッキーを食べる実験が行われました。

すると、大きい音を聞きながら食べた人は、塩味や甘みを感じにくかったという結果が出たというのです。塩味や甘みを感じにくくなれば、当然料理全体の味の感じ方も変わってきます。

別な研究では、大きい音が聞こえていると相手の話を理解しにくくなるということもわかっています。音は私たちが思っているよりも、私たちに大きな影響を与えているのです。

■音がある方がおいしく感じることもある

しかし、音が大きくてもよりうまみを感じやすい場所があります。それは飛行機のなか。飛行機のなかは通常80デシベルほどの音が常に聞こえていますが、地上で食べるよりも、よりうまみを感じやすいといわれているのです。

また、スペンス氏は知り合いのコックと協力して、ある料理をつくりました。それは、海の上にあるような見た目にしたシーフード料理。この料理を食べるときは必ずヘッドフォンをして、海のさざ波や、かもめの鳴き声を聞きながら食べてもらうのだそうです。

その結果、食べた人はシーフードをよりおいしく感じたのだといいます。

■音楽は味のイメージにも影響を与える

また、スコットランドの大学で心理学を研究しているエイドリアン・ノース氏は、以下のような実験を行いました。

「パワフルで重厚」「複雑で繊細」「元気ですがすがしい」「メロウでソフト」の4つの音楽を聞きながらワインを飲み、味を表現する、というものです。すると、ワインの味の表現は、それぞれ聞いた音楽のイメージに影響されていたのだそうです。しかし、誰も音楽には触れませんでした。聞いていた音が、無意識のうちに味の感じ方に影響したのです。

ノース氏はこの結果から、音楽の役割が変化していることを指摘しています。

「音楽はいまや生活の一部です。昔は音楽を聞くときは部屋でレコードの前に座らなければなりませんでしたが、いまでは音楽はそこここにあふれています。音楽は私たちの世界の捉え方に影響を与えているのです」

私たちは料理を食べるとき、ただ料理の味だけを感じているのではありません。その店の雰囲気、におい、音など、料理をとりまくさまざまなものと一緒に、味を感じているのです。

もちろん音の影響や味の感じ方に個人差はありますが、料理そのものだけが大切なのではない、ということ。おいしく料理を食べたい人、食べてもらいたい人は、料理だけでなく、音楽にも気を配ってみてはいかがでしょうか。

(文/スケルトンワークス)

 

【参考】

An expanding volume of research suggests sound has a significant impact on taste-PRI

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