お酒のアルコール度数は何の割合?意外と知らない「濃度」の意味

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2015.09.12

suzie.20150912

私たちの住む世界は、すべてがなんらかの「物質」でできており、そのほとんどは分子からできているもの。つまり、この世界はすべて化学物質からできている。

『ぼくらは「化学」のおかげで生きている』(齋藤勝裕著、実務教育出版)のタイトルには、そんな意味が込められているわけです。

きょうは、「濃度」についての記述を引き出してみます。

■意外と知らない「濃度」の意味

お酒のアルコール度数を表す「%(度)」とは、重さの割合? それとも体積の割合でしょうか?

答えは、「お酒に含まれるエタノールの体積の割合(パーセント濃度)」。

ビールで5%程度、日本酒やワインで10~15%、ウィスキーやブランデーなら40~60%。ウォッカやアブサンなどは90%近いので、エタノールの水溶液というよりは水のエタノール溶液といった方がいいかも。

それはともかく一般的に、溶液のなかに溶質(溶けている物質)がどれくらい溶けているかを表す指標を「濃度」と呼ぶのだそうです。

■体積は増えたり減ったりする!

なお、お酒の濃度などに使われるのは、「体積パーセント濃度」だそうです。溶質の体積を、溶液の体積で割った割合のこと。

体積パーセント濃度(%)=(溶質の体積)÷(溶液の体積)×100

なお注意しなければならないのは、「溶液の体積は溶質の体積と溶媒の体積の和ではない(「1+1=2」とはならない)」ということ。

なぜなら、液体の組み合わせによっては、混ぜると体積が増えたり(たとえば塩酸と水酸化ナトリウム)、逆に混ぜると体積が減ったりする(エタノールと水など)からだといいます。

■試さないと体積はわからない

したがって、体積濃度10%のエタノール水溶液1リットルをつくるには、次のような手順で行うのだそうです。

1リットルのメスフラスコにエタノール100ミリリットルを入れ、そこに水を加えてちょうど1リットルになるようにします。

でも実は、このときの水の量は900ミリリットルよりも多くなるのだとか。

理由は、水とエタノールを混ぜると、全体の量は減るから。

そのため、きちんと1リットルにするための調整が必要になってくるというわけです。

液体にはこのように、混ぜると体積が減る場合と、反対に増える場合があるということ。

しかも、どのような組み合わせだと減り、どのような組み合わせが増えるのかは、実際にやってみないとわからないのだといいます。化学の世界は、なかなか奥が深そうですね。

化学ということばに難解なイメージを持つ人もいらっしゃるかと思いますが、著者の表現はソフトでわかりやすいもの。文系の人でも、無理なく理解できるはずです。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※齋藤勝裕(2015)『ぼくらは「化学」のおかげで生きている』実務教育出版

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