10分遅れのショー開始にも深い意味が!マジシャンの最強心理術

  • LINEで送る
2015.09.14

suzie.20150914

タイトルからもわかるとおり、『マジシャンだけが知っている最強の心理戦略』(スティーブ・コーエン著、宮原育子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者はプロのマジシャン。

その心理戦略を明かした本書は、人前で自信とカリスマ性をフルに発揮できるようになることを目的として書かれています。

つまり、マジシャンならではのスキルを、ビジネスに活かしてしまおうという大胆な発想。

「時間」に焦点を当てた、「カリスマは『時間』をあやつる」をクローズアップしてみます。

■ゆっくり話して動くことが重要!

話すときに勢い込む人がいますが、人が1分間に受け入れられる情報量には限界があるのだと著者。

情報を詰め込みすぎても、相手は少ししか理解できないもの。こちらにとってはわかりきったことでも、受け手には初めてのこと。

彼らの頭脳が新しい刺激を処理するには余分に時間がかかるので、普段よりゆっくり話したり行動したりする配慮が重要だといいます。

ゆっくり話して動くことのもうひとつのメリットは、自信に満ちて見えること。

ゆっくり話せば、相手は「重要なことを話しているのだ」と考えるもの。じっくり聴いてみる価値があると感じるわけです。

もっとテンポを落として話せば、相手はこちらのことばを待つようにもなるとか。そして、人と会話するときのペースをコントロールできるようになるわけです。

■相手を自分のペースに乗せよう

マジシャンである著者はいつも、定時より遅れてショーを開始するのだといいます。

なぜなら、「相手を待たせることができる人間が場の主導権を握る」ということを理解しているから。

事実、ブロードウェイのプロデューサーも、観客の期待を高めるため、わざと10分遅れでショーをはじめるのだそうです。

商談でも同じで、待たせる側の人間は、相手の心理に、これから起こることへの期待を膨らませることができるもの。

いいかえれば、人を待たせるとき、こちらは優位に立っているということ。

■自分のペースを知るとうまくいく

ちなみに著者は、アップテンポのダンスミュージックがかかっているパーティーで仕事をしたことがあるそうです。

しかしその音楽は自分のスタイルとはかけ離れたものだったため、無理をしてその音楽に合わせてペースを上げても、よい演技はできないと感じたのだといいます。

そこで、どうしたか?

驚くべきことに、あえてゆっくり落ち着いて演技をしたというのです。その結果、観客は思惑どおり著者のペースに乗ってしまうことに。

つまり、大切なのは自分のペースを知ること。そして、どうやったら最大の効果をあげられるかを知ること。

著者はそう記しています。

マジシャンのスキルをビジネスに応用すると聞くと、少し怪しく感じてしまうかもしれません。

しかしこのように、すべての考え方がビジネスと直結しています。だからこそ、応用範囲は予想以上に広いと思います。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※スティーブ・コーエン(2015)『マジシャンだけが知っている最強の心理戦略』ディスカヴァー・トゥエンティワン

関連記事