なぜ私達は四階は「しかい」と読まない?階数の数え方の謎に迫る

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2015.09.19

suzie.20150919

毎日の暮らしのなかで、「ちょっと気になる」疑問は少なくないもの。でも、そういうことに限って、人には聞きにくかったりもします。

しかし、そんな疑問のいくつかは、『「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば』(NHKアナウンス室著、新潮社)を読めば解消できるかもしれません。

なぜならここではタイトルどおり、報道関係者としての立場に基づいて、NHKアナウンス室が多くの疑問に答えているからです。

きょうは第1章「数え方の不思議」から、「一階、二階、三階 数の読み方」を取り上げてみたいと思います。

■「四階、七階」の読み方の不思議

「一階、二階、三階、四階、五階……十階」と声に出して読んでみると、気づくことがあるはずです。

一階(いっかい)、二階(にかい)と、ほとんどは「漢語」の発音で読むのに、四階や七階だけは「よんかい」「ななかい」と「和語」の発音をするのです。「しかい」や「しちかい」ではないわけです。

■「四階(しかい)」が消えた理由

でも「四階」はもともと、「しかい」と発音されていたのだとか。それが「よ(ん)」に変わっていったのは、漢語の「し」が「死」を連想するから。

同じように「七」も「しち」だと「いち」と間違えやすいため、「なな」と読むようになったのだといいます。

■「さんかい」? 「さんがい」?

では、「三階」は「さんかい」でしょうか? それとも「さんがい」でしょうか?

答えは「さんがい」。理由は、日本語には「『ん』のあとは濁ることが多い」という傾向があるからなのだそうです。

ただ「さんがい」が正しいといいながらも、最近では「さんかい」という人の割合が増えているそうです。

なお、「ん」のあとが濁るのは、「神社」や「万歳」のような熟語にもいえること。「天下」も昔は「てんが」と濁って発音していたというのですから、ちょっと意外ではありますね。

「ん」のあとすべてが濁るわけではないけれど、そういう傾向があるため「三階」は「さんがい」と濁るというわけです。

でも、「よんかい」は「ん」のあとなのに「かい」で、濁りません。これは、もともと漢語の発音の「しかい」が「よん」に置き換わっただけなので、そのまま濁らない「かい」となったのだということ。

■「数の読み方」ルールは一部だけ

ところで、「十%」はなんと読むでしょうか? ジッ%? それともジュッ%?

これはどちらも間違いではないそうです。歴史的には「十」の発音はもともと「ジフ」で、そこから「ジッ」となったといいます。

しかし一方で「ジュウ」にも変化したため、現在「十」の表記は「ジッ」と「ジュッ」の2とおりあるのだということ。

だからNHKの放送でも、伝統的な「ジッ」を優先しているものの、「ジュッ」も認めているのだとか。

数の読み方すべてにルールがあるなら問題ないものの、そうはいかないから難しいということ。そこが、日本語の難しいところかもしれません。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※NHKアナウンス室(2015)『「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば』新潮社

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