「数字を使う=伝わる」ではない?本当はどう使うかが大切だった

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2015.09.21

suzie.20150921

『東大式 相手をひきつける、最強トーク術』(石浦 章一著、KKベストセラーズ)は、東京大学大学院総合文化研究科教授である著者がトークのコツや注意点を明かした書籍。

大学院向けの副専攻プログラムを通じての経験に基づいているだけに、究極というべきトーク術を身につけることができます。

第4章「ひきつけ最強トークの基礎知識」のなかに、「『数字』だけでは、伝わらないこともある」という気になる項目があるので、今回はそこをクローズアップしてみたいと思います。

■数字は本当に重要なもの?

営業トークにおいては、「数字を使うことがポイント」だとよくいわれます。みなさんも一度や二度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

しかし著者は、「数字を用いること=伝わる」ということになるのだろうかと疑問を投げかけています。

たしかに数字は、曖昧なことをより明確にするために有効です。

たとえば「この本はすごく売れています」と主観的ないい方をするよりも、この本は100万部売れていて、ランキング1位になっています」と数字を用いることで、「売れている」という信憑性と客観的判断が下せるようになるわけです。

■数字はただの記号にすぎない

しかし「100万部」「ランキング1位」という数字は、あくまでも「すごく売れている」ということばを客観的に実証するための裏づけにすぎないと著者。

「数字」があるから伝わっているのではなく、「裏づけ」ができているから理解してもらえるのだという考え方です。

著者によれば、数字は客観的かつ具体的に理解できるものではなく、人の主観次第で捉え方が変化するもの。

たとえば「家から会社まで30分」だという場合、

A「家から会社まで30分しかかからない」

B「家から会社まで30分もかかる」

と、数字の前後のことば次第でイメージは変わってくるはず。つまり数字は、トークのなかにおいては記号にすぎないということ。

科学の資料で得られた数値、細かな数字が並んだ決算書などは、見ただけでは理解できない場合が少なくありません。

そこで報告書やプレゼン資料では、グラフを使って数字を可視化するわけです。

なぜなら細かい数字は、ときに話をややこしくしてしまうから。

■大切なのは「伝える→伝わる」

たとえば、ある敷地の広さを表現するとき「1万4265㎡」といわれても、ピンとくる人は少ないでしょう。

しかし「1万4,265㎡は、東京ドーム3個分の広さです」と誰もが知っているアイコンを使って話せば、広さは一瞬で伝わります。

つまりトークで大切なのは、「伝える→伝わる」ということ。

そう考えると、数字を使えば伝わるというわけではないということがわかるのではないでしょうか? 大切なのは、数字を「どう使うか」だという考え方です。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※石浦章一(2015)『東大式 相手をひきつける、最強トーク術』KKベストセラーズ

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