日本のトップ1%の年収は1300万円?統計データでわかる真実

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2015.09.23

suzie.20150923

現代社会においては、無数の情報に埋もれることなく、それらをうまく使いこなすことが重要。そして、そのために求められるのは、情報を整理するための「枠組み」。

それが、『あらゆるニュースをお金に換える 億万長者の情報整理術』(加谷珪一著、朝日新聞出版)のコンセプトです。

つまり著者は本書で、情報をお金に変える「枠組み」の使い方を説いているのです。

大半の人はトップ1%の人をイメージできない

少し前、フランスの経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)がベストセラーになりました。

ここで扱われているのは格差問題ですが、世間で語られているピケティ論をなにも考えずに聞いてしまうと。「お金持ちがますますお金持ちになっている」と考えてしまいがち。そもそも日本には当てはまらないという意見もあるでしょう。

ピケティ氏の基本的な主張は、豊かな人とそうでない人との差が拡大していて、上位1%の人が得る所得の割合が年々上昇しているというもの。

その原因は、いつの時代も資産の収益率(r)が所得の伸び(g)を上回っていることであり、これによって資産を持つ人が有利になっていることだとしています。

そこでピケティ氏に関する多くのコンテンツは、格差是正の必要性を訴えるのです。

しかし、こうしたコンテンツを消費している人の大半が、「トップ1%の人とは具体的にどんな人なのか」をイメージできていないと著者はいいます。

でも情報を使いこなせる人は、それを具体的なイメージに落とし込めるはず。

情報確認する時はまず統計データを当たろう

では日本において、ピケティ氏がいう1%という富裕層はどのような人たちのことなのでしょうか? この問いについてある識者が「1,300万円」と答えたところ、多くの人が「そんなはずがない」と反論したそうです。

たしかに、世界屈指の経済大国のトップ1%の年収が1,300万円とは信じがたいですが、日本の場合は必ずしもそうではないとか。

そして著者は、こうした情報を確認するためには統計データに当たることが大切だとしています。なぜならビジネスや投資で成功する人は、必ずデータを確認するものだから。

日本のトップ1%が年収1,300万円はかなり現実的

国税庁の調べによると、日本における給与所得者の上位1%は1,500万円以上。

厚労省が行っている国民生活基礎調査では、上位1%は2,000万円から。なお、この調査は給与だけではなくあらゆる所得が対象になっているため、より全体的な傾向を示しているとか。

一方、これは世帯全体の数字なので、個人になるとさらに数字が小さくなるはず。さらに対象をトップ5%まで広げると、1,000万円くらいから対象範囲になることに。

これらを総合的に考えると、1,300万円という数字はかなり現実的だというわけです。

実は港区民が所得の伸びに大きく貢献していた!

そしてこの結果には、日本において、給与所得だけではお金持ちになりにくいという現実が映し出されているといいます。

具体的にいえば、資産価値上昇の恩恵を受ける人が少ない日本において、単期間で大きなお金をつくるためには、現実問題として投資をしないとお金持ちにはなれないということ。

事実、港区の住人には株式や不動産の投資をしている人が多いため、これがアベノミクスの株高によって、所得の伸びに大きく貢献したのだそうです。この層が、本当の意味での富裕層だというわけです。

たとえばピケティ氏の話を耳にするにしても、ここまで考える人とそうでない人との間に大きな差がつくのは当然だというわけです。

このように本書では、難しそうなことがらもわかりやすく解説されています。そのため、ずっと解決できなかった疑問を解決し、それをビジネスに活かすノウハウを身につけられるかもしれません。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※加谷珪一(2015)『あらゆるニュースをお金に換える 億万長者の情報整理術』朝日新聞出版

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