食べものを冷蔵庫の奥に放置した結果、罪悪感を抱きながら捨ててしまったことはありませんか?
日本でも食べものの廃棄量は問題になっていますが、イギリスの一般家庭では年間で約152キロもの食べものが捨てられていることが『Daily Mail Online』でわかっています。金額にすると、ひと世帯で約86,400円にもなるのだとか。
専門家は、食べものを軽視する文化や、スーパーの安売り、料理する機会の減少などが背景になっているのではないかと語っています。先進国、イギリスで一体なにが起きているのでしょうか?
■ジャガイモの45%は食べずに捨てられる
イギリスの家庭では、1年に約152キロもの食べものが捨てられていることが調査によって判明しました。これはドイツ、オランダ、デンマーク、フィンランド、ルーマニアなどのヨーロッパの国々のなかでも群を抜いて多い数字です。
飲食店やホテルなどの食料廃棄量が多いのはもちろんのこと、一般家庭の廃棄量も少なくないのだといいます。
イギリスの家庭では、ジャガイモの45%、フルーツの41%が食べられないまま捨てられています。肉と魚はいずれも23%、卵も17%は捨てられているそうです。
■子どもに食べものを大切にする教育を!
調査を行ったデイヴィ・ヴァンハム博士は、西ヨーロッパの豊かな国々は似たような状況にあり、食べものが粗末にされているといいます。
博士は、学校で子どもに対し、家計における食費の割合、余った食べものの料理法、冷凍などの保存方法など、食べものを大切にする方法を教育するべきだと主張しています。
■料理の機会減少で食べ物が使いきれない
また、フードライターのジョアンナ・ブリスマン氏は、イギリス人の料理する機会が減っていることを指摘しています。外食やお惣菜は安価でおいしくなっており、家庭で料理を作る機会を奪っているのではないか、という考えです。
ブリスマン氏は賞味期限も食べものを捨てる要因のひとつになっていると考えています。賞味期限を1日でも過ぎた食べものは、まだ食べられるにも関わらず、捨てられてしまうのです。
スーパーではよくたくさん買うとお得になるような売り方をしています。こうした販売方法も、食べものの買いすぎを招き、食べきれずに捨てることを助長していると考えられています。
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日本では「1粒のお米に7人の神様がいる」ともいわれ、食べものを大切にする文化がありますが、それも最近は意識が薄れているように感じられます。まだ食べられる食べものを捨てるのは、本当にもったいないこと。調理法や保存方法を工夫し、できるだけ捨てないように気をつけたいですね。
(文/スケルトンワークス)
【参考】