昼間が唯一の休憩時間!実は深刻な日本人女性の「時間貧困」事情

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2015.09.25

suzie.20150925

仕事を除いた人生の選択肢が著しく限定されているため、“世界一孤独”とされているのが日本人男性。

対する日本人女性も、婚活・妊活・保活などの「リミット」に追われ続け、結婚後の家庭でも自分の時間を確保しづらい状況にあります。

では、双方が幸福になるためには、なにが必要なのでしょうか?

『「居場所」のない男、「時間」がない女』(水無田気流著、日本経済新聞出版社)は、誰にでも当てはまるそんな身近な問題を読み解いた書籍。

女性と仕事との関係について、「日本女性の『時間貧困』」から要点を引き出してみたいと思います。

■主婦は本当に余裕があるのか

優雅に高級フレンチのランチコースを頼む主婦グループなどが、よくメディアで紹介されます。

それらを見るたびに男性サラリーマンは文句をいうわけですが、ここには留意すべきポイントがあると著者は指摘しています。

それは、「昼間優雅に過ごしている」かに見える女性たちは、実は「集まれるのはこの時間帯だけ」だという点。

つまり女性たちは「昼間から暇」なのではなく、「昼間の、子供が不在の時間だけが唯一の休憩時間」だということ。

■労働時間の認識にズレがある

基本的に、「ケアすべき対象」=「家族」がいる時間はすべて、女性にとっての労働時間だということ。しかし男性はそれを「働いている」とは見なしていないため、すれ違いが生じるというわけです。

また、生活時間・空間のズレは、「忙しい時間帯」の時間差も生んでしまうもの。これが、男性が女性を暇だと見なしたがる要因になっていると著者。

■日本人女性は睡眠時間も短い

他の先進諸国と比較すると、日本女性の就労率は低く、有償時間も長くはありません。ところが有償労働と無償労働時間を合算した「総労働時間」は、長時間労働が指摘される日本男性よりも長くなるのだそうです。

そればかりか睡眠時間も、男性より女性の方が短いといいます。先進国で女性の睡眠時間が短いのは珍しい傾向だとか。

■夫に家事分担を期待できない

しかも共働き夫婦を見てみても、夫の7人に1人がまったく家事をしないのだといいます。

日本ではまだまだ、育児や家事負担が極度に女性に偏重しているということ。

だから、子どものいない妻は、夫の日ごろの家事貢献度に基づいて将来の家庭風景を「この人と一緒に子育てをするのは難しい」と、マイナス方向に想像してしまう。

近年では夫婦間出生力も2を割り込み、「子どもを持たない」「生んだとしても一人だけ」という夫婦も増えています。

が、妻が夫に家事分担を期待できないことも、貧困の一端なのではないかと著者は分析しています。

なかなか思い至らないことではありますが、たしかにそうなのかもしれません。

このように、考え方自体が新鮮。しかも実際には明確なデータを引き出して解説がなされているため、さらに理解しやすくなっています。

本当の幸せをつかむためにも、読んでおいて損はなさそうです。

(文/印南敦史)

 

【参考】

※水無田気流(2015)『「居場所」のない男、「時間」がない女』日本経済新聞出版社

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