先進国では日本だけ!女性だけにある「再婚禁止期間」の存在意義

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2015.10.01

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長年相性の合わなかった夫と離婚し、「さあ、これでやっと理想の彼と結婚できる!」

そう考えている女性の前に立ちはだかるのが、「再婚禁止期間」です。

実は日本では法律で、「再婚してはいけない期間」が定められています。期間は6ヵ月間で、しかも女性だけに定められたもの。この法律、一体なんなの?

■父親を明確にする家のためのルール

この法律はそもそも明治時代に作られた、「明治民法」をそのまま引き継いだもの。民法722条の「離婚してから300日以内に生まれた子どもは前夫の子と推定する」規定とセットで機能しています。

明治時代は離婚や再婚が少なく、DNA鑑定の技術がなく、また「家」という概念が強固だったため、後継ぎを考える都合上、誰の子どもか早くはっきりさせなければならなかったのです。つまり、そんな事情から決められた規定だということ。

現在でも、前夫に父親としての責務を果たさせるルールとして機能しているとされていますが、女性差別の観点などから問題点も多く指摘されています。

■いま再婚禁止期間は時代錯誤の法律

再婚禁止期間があることにより再婚が遅れたため、その期間中に生まれた子どもの届け出ができない、といった問題も発生しています。「家族」の考え方も変わっており、離婚や再婚が悪いことだとはもう考えられなくなっています。

そんな社会情勢のなか、この「再婚禁止期間」は時代錯誤の法律だともいわれています。

■多くの先進国ではすでに廃止している

ヨーロッパを中心としたほとんどの先進国では、女性差別であるとして「再婚禁止期間」は廃止されています。北欧諸国は1968~69年、ドイツは1998年、フランスは2004年にそれぞれ再婚禁止期間を撤廃しています。

イタリアは女性のみ300日間の再婚禁止期間が定められていますが、妊娠が終わるとこの期間も終了します。また離婚前から同居していなかった場合も、再婚禁止期間中でも再婚が認められる場合があるようです。

アメリカ、イギリス、オーストラリアなどではそもそも再婚禁止期間が定められていません。実はこれは離婚の条件として「1年以上の別居」が必要だから。考えようによっては、男女ともにではありますが、より長い再婚禁止期間ともいえます。

■アジアではいまだに再婚禁止期間が

フィリピンでは実質女性のみ、301日間の再婚禁止期間があります。フィリピンは離婚制度がなく、夫と別れるためには婚姻無効の裁判をしなければなりません。

離婚制度がないのは、世界中でバチカン市国とフィリピンだけ。フィリピンは8割がカトリック教徒のため、宗教的な理由からこのような仕組みになっているのだといいます。

また、タイにも女性のみ310日間の再婚禁止期間があります。こちらは誰の子どもかをはっきりさせる目的で定められているため、受胎していないという医師による診断書があれば再婚が可能になります。

「誰の子どもか」をめぐった問題が起きないように設定されている「再婚禁止期間」。家族のあり方も多様に変化しているいま、日本でもこの法律が本当に必要なのか、考えなおさなければならないのかもしれません。

(文/スケルトンワークス)

 

【参考】

女性の再婚禁止期間 最高裁で審理へ-産経ニュース

離婚制度がない国 フィリピン-産経ニュース

再婚と300日問題について-リコナビ

世界の離婚(11)~イタリア編~-離婚.com

戸籍・国籍に関するQ&A-在タイ日本国大使館

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