こんにちは。深沢真太郎です。
ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。
さっそくですが、今回はこんなテーマで。「100」という数字を使って、人を動かせ!
■数字を使って部下や後輩を育てよう!
あなたには部下や後輩はいますか?
いる人は、「前向きにやってくれてはいるけれど、もうちょっとがんばってくれるといいんだけどな……」なんて思っていませんか?
そんな相手に対し、いったいどんな言葉をかけたらよいでしょうか。
「もっとがんばってよ!」「ちょっと! サボっているんじゃないの!?」
こんな感情的な表現では、相手も感情的になってしまいます。
この例に限らず、ビジネスシーンでは感情的になったほうの負けです。そこで、こういうときこそちょっと頭を使って、数字とロジックで攻めるというのはいかがでしょう。
具体的には、「100」という基準をつくり、それに対する相対的な位置を認識させます。
当然、「100」に対してギャップが生じます。そこで、そのギャップは具体的になんなのかを相手の口から出させます。(必ず相手に言わせること)
■「100」を使ったカンタン会話術・例
あなた「ちょっと◯◯さん、いいかしら」
相手 「はい、なんでしょうか」
あなた「正直、あなたならもっとできると思うのよね」
相手 「(突然、なんなの?)……」
あなた「先日の案件、パーフェクトを100としたらどのくらいの仕事をしたと考えている?」
相手 「は? なんですかそれ?」
あなた「いいから、数字で答えてみて」
相手 「パーフェクトを100としたら……、90くらいでしょうか」
あなた「その残り10って具体的になに?」
相手 「もうちょっと効率的に進められた気がします。そのせいで、アウトプットの精度が……」
あなた「ってことは、次回はそこが課題ってことよね。期待しているわよ」
相手 「……」
あなた「私はできない人にこんなことは言わないわ」
相手 「わかりました。がんばってみます」
このように「100」という数字を使うことで感情論にならず、相手の足りないところを自覚させ、前向きに「指導」することができるのではないでしょうか。
え? 「パーフェクトを100としたら、100です!」と切り返されたらどうするかって?(笑)
そうですね……。私だったらこう伝えます。
「そうなんだ……。あれがあなたの限界ってことか。もっとできる人だと思っていたんだけど、ちょっと期待はずれだったかな……」
それで燃えない後輩や部下なら、仕事なんて振らないほうがいいと思います。
(文/深沢真太郎)
【参考】
※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える 仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社