なぜ貯金は「おろす」というのか?気になる言葉の深い意味を究明

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2015.10.11

suzie.20151011

『走らないのになぜ「ご馳走」?: NHK 気になることば』(NHKアナウンス室・編、新潮社)は、以前ご紹介した『「サバを読む」の「サバ」の正体』の続編。

気になることばについてのアレコレを、やさしい文体でわかりやすく解説しています。

今回もまた、数字にまつわるトピックスを引き出してみましょう。

■1:なぜ貯金は「おろす」?

「腕をおろす」「腰をおろす」「旗をおろす」「こきおろす」「根をおろす」などなど、「おろす」がつくことばはたくさんあります。

基本的な意味合いは「上から下へ移す」ことですが、他にも多くの意味が。

「貯金をおろす」や「新品をおろす」は、「収めてあるものを取り出して使う」の意味。平安時代中期に書かれた『宇津保物語』には、「三合の米おろして食ひつつ、……点」とあるそうです。“三合の米を、しまってあるところから取り出して食べる”の意味だといいます。

■2:「二連勝」は重複表現?

そもそも「連勝」とは「続けて勝つこと、勝ち続けること」、「連覇」とは「続けて優勝すること」。

当然ながら、この「連」は“継続して”という意味。最低でも二回、二度以上続くことを表すということです。

ですから、二回連続した勝利・優勝だけを取り出してみれば、「連勝」「連覇」で事足りるはず。

なのになぜ、「二連勝」「二連覇」がこれだけ一般的に使われているのでしょうか?

「連勝」は「続けて勝つこと」なので、3回、4回と勝利を重ねても「連勝」と表現できます。どのくらい続けて買ったのかをわかりやすくするために、連続優勝した回数を2、3、4と数え、違いを表すのだそうです。

「二連勝」「二連覇」は二度目ということを強調していると考えれば、重複表現ともいいがたいといわけです。

■3:10月20日はなんの日?

そして、もうすぐ訪れる10月20日はなんの日だかご存知でしょうか? 実は、2つの記念日となっています。

[1]リサイクルの日

「ひとまわり(十)、ふたまわり(二十)の語呂合わせからきているもの。日本リサイクルネットワーク会議が1990年に制定したものだといいますが、少しわかりにくいですね。

[2]頭髪の日

「とう(十)はつ(二十)」の語呂合わせからきているもので、これは日本毛髪科学協会が制定したもの。

そしてここでは、数字とことばの関係について解説されています。

たとえば√2=1.41421356を「ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ」とおぼえた方も多いはず。また自分の家の電話番号などを、身のまわりの数字をおぼえるときに使うことはないでしょうか?

会社の電話番号などは、語呂合わせにするとおぼえてもらいやすかったりもします。

日本人がなぜ語呂合わせが得意なのかについて、杏林大学教授の金田一秀穂さんの話が引用されています。

「日本人は数字を漢字としてとらえています。そのため、漢字の音読みと訓読みからいろいろな音になり、その組み合わせで意味のあることばをつくり出すことができるのです」

ということだそうです。

空いた時間に好きなところから読めるという手軽さもあり、このシリーズは本当におすすめ。

読んでみればきっと、ことばをさらに好きになれるはずです。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※NHKアナウンス室・編(2015)『走らないのになぜ「ご馳走」?: NHK 気になることば』新潮社

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