脳科学おばあちゃんが明かす「三つ子の魂百まで」の本当の意味

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2015.10.13

suzie.20151013

『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』(久保田競、久保田カヨ子著、ダイヤモンド社)は、脳科学の権威である久保田競さんと、“久保田式育児法(クボタメソッド)”を確立したことでも知られる久保田カヨ子さんによる育児バイブル。

もともとは1983年にベストセラーとなったもの。一時期はアマゾンのマーケットプレイスで1万円以上の値がついたという名著を復活させたものです。

また久保田カヨ子さんは、2009年に放映された『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)や『エチカの星』(フジテレビ系)で「脳科学おばあちゃん」として取り上げられたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

いわば、その原点というべきが本書だというわけです。

対象にしているのは、0歳から1歳。

激しく成長・発達する赤ちゃんに、脳の発達の時期に応じて「なにを与え、なにをさせればよいか」を、脳研究の専門家ならではの知識、そして実際に子育てをした経験をもとに書かれたものだそうです。

育児に役立つ実践的な内容が魅力的ですが、きょうはそのなかから、数字に関係する記述をご紹介したいと思います。

■赤ちゃんは育て方ひとつで変わる

お父さん、お母さんから受け継いだ遺伝的なものを持っているとはいえ、人間の赤ちゃんは自分ひとりでは生きていけない「たよりない生きもの」。

いうまでもなく、他の四足動物のように、生まれたその日から歩いたり、走ったりはできないわけです。

しかし、どの赤ちゃんも呼吸して、「泣く子こと」と「吸うこと」はできます。個人によって、働きの差もそれほどありません。

でも、外からいろいろな刺激を与えて育てていくことで、いろんな働きをおぼえます。その結果、生後6ヶ月もすると頭の働きには個人差が出てくることに。

つまり、頭の働きのよい子に育てるのも、働きの悪い子に育てるのも、育て方次第。こうして、からだの成長と頭の働きの発達も、性格、考え方、知能も違ってくるというわけです。

■「三つ子の魂百まで」の本当の意味

「三つ子の魂百まで」という格言をご存知だと思います。

人間としての頭の働きの基本が3歳ごろまでにほぼできあがってしまい、それがいつまでも残ると、昔の人は考えたということ。

しかし、「たしかに、そのとおりなのです」と認めたうえで、著者は次のようにつけ加えてもいます。

「ことばがしゃべれるようになり、他人とつきあえるようになって、人間の頭の働きの基本がほぼ決まってしまう、2~3歳のころに教育すればよいということではない」ということ。

2~3歳ごろに十分教育できるよう、その前、具体的には「歩きはじめるころまでに教育しておかないといけない」ということなのだそうです。

この時期の赤ちゃんの反応は限られていますし、与える刺激も単純。そのぶん苦労は少ないものの、手抜きをすると、よい結果は得られないと著者は断言します。

そこでお母さんは、自信を持って育児にあたることが大切だという考え方。

医学的根拠と実体験がミックスされているだけに、とても応用しやすい内容だと思います。赤ちゃんがいる方は、ぜひ手にとってみてください。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※久保田競、久保田カヨ子(2015)『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』ダイヤモンド社

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