保湿力が「ヒアルロン酸の3倍」も!サクランに注目が集まる理由

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2015.10.15

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秋から冬にかけて、乾燥が気になる時期です。

『朝時間.jp』がモニター654名を対象に行ったアンケートによると、普段のスキンケアに不満を抱えている女性は95 %以上。そのうち、大半が抱えている悩みが「乾燥」だったそうです。

お肌の乾燥を防ぐための有効成分として、注目を集めているのが「サクラン」。サクランには、ヒアルロン酸の3倍の保湿力があるとされています。

■絶滅寸前のスイゼンジノリから発見された希少な天然成分

サクランはスイゼンジノリから抽出される天然成分です。スイゼンジノリは九州の限られた地域でのみ育つ高級食材で、江戸時代には将軍家へ献上されていました。

ところが、河川などの環境の変化とともに年々収穫量が減少し、天然種はほぼ絶滅。養殖業も廃業の危機を迎えました。福岡県朝倉市の黄金川では、最盛期に年間約200トンだった収穫量が、約20トンにまで落ち込んだそうです。

そんな状況をなんとかしようと、朝倉市の養殖業者は日本全国の研究者にメールではたらきかけました。

それに応じたのが、北陸先端科学技術大学院大学の金子麻衣子さん。研究の結果、2006年にスイゼンジノリからサクランという成分が発見されました。

■純水で自分の重さの約6,000倍もの水を吸収する保水力

サクランの特徴は、なんといってもその保水力。純粋で自分の重さの約6,000倍の水を吸収することができます。

化粧品に使われる保湿剤として、普段よく耳にするものにヒアルロン酸がありますが、サクランはヒアルロン酸にくらべて、純水では約6倍、塩水では約10倍の保水性を示します。

また、サクランには“粘性が高い”という特徴があります。

サクランは1%濃度でキサンタンガムの4倍、ヒアルロン酸の80倍の粘性を示します。

さらに、サクランがもつ珍しい性質として、「逆チキソトロピー」があります。これは触れた瞬間に粘度が上昇するという珍しいもの。この性質が、肌にのせたときのしっかりしたつけ心地のもとになります。

それらに加えて、サクランは非常に分子量が多いという特徴があります。

とても緻密な膜を形成し、肌の上で網目のようなバリアを作って、皮膚の内部から蒸散される水分を吸着。薄い水の皮膜層を形成することで、皮膚細胞を外部刺激やアレルゲンから守ることができると考えられているのです。

■いまサクランは化粧品や医療の分野で活用されつつある

サクランの有効性は認められながらも、スイゼンジノリは絶滅危惧種ということもあって、大手企業はこの成分を活用した商品開発になかなか乗り出しませんでした。

現在、このサクランを化粧品に活用している会社のひとつである株式会社ゼノシスの江頭さんは、開発の経緯について次のように語ります。

「保湿力と浸透力を実現できる成分を探し求め、驚くべき保水力と保湿力を持つ天然成分のサクランにたどり着きました。保湿力が高すぎると浸透せずにベタついたり、浸透力が高すぎるとすぐに乾燥して潤いがたりなかったり、保湿力と浸透力を実現する配合バランスはかなり難しかったです」

保水力が高いのがサクランの魅力のひとつですが、ほんの微量な配分の加減でボタっとした粘度感が出てしまうこともあり、開発には苦労も多かったそうです。

同社は試行錯誤の末に、サクランを使用したオールインワンジェルという形で、すっと肌になじみつつも、しっかりと潤う浸透力と保湿力を実現。サクランの長所を最大限に引き出すことに成功しました。

化粧品として商品化している会社はまだ少ないですが、今後サクランはお肌の保湿の強い味方になりそうです。

また、サクランを塗布することでアトピー性皮膚炎の症状が緩和されたという実験結果も出ており、今後、医療の分野でも活用されていくかもしれません。

乾燥対策は日々のスキンケアから。含まれている成分にも注目しつつ、自分に合った方法を取り入れて、乾燥しやすい季節を乗り切っていきましょう。

(文/ヨガインストラクター・松山史恵)

 

【取材協力】

※江頭令子・・・株式会社VOYAGE GROUP広報・IR室長、株式会社ゼノシス取締役。2015年より、通販化粧品の企画・開発・販売を行う新規事業に抜擢され、株式会社ゼノシスの取締役として新コスメブランド『ViTAKT』を手がける。大学在学中から株式会社VOYAGE GROUPにて広報として携わっており、現在約15社の全グループ広報を1人で兼務。結婚を機に家事の楽しさにも目覚め、Facebookやブログメディア『AOL炊飯部』にて、日々朝食写真を投稿中。

 

【参考】

95%がスキンケアに悩みあり、一番の悩みは乾燥。手間暇かけたスキンケアも満足度わずか5%-VOYAGE  GROUP

朝倉スイゼンジノリ 寛政5年創業、老舗養殖17代目の訴えは届くか(前)-NET IB NEWS

サクランとは-グリーンサイエンス・マテリアル株式会社

化粧品原料としてのサクランの機能性-北陸先端科学技術大学院大学

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