医師は6000万円!江戸時代「収入が高かった職業」トップ10

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2015.10.15

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いつの時代にも稼げる職業は存在し、競争率も激しいもの。現在の稼げる職業としては、航空機操縦士、医師、大学教授、弁護士がベスト4といわれています。

では、いまNHKの朝ドラ『あさが来た』でも取り上げられている江戸時代だったら、一体どうなのでしょうか。

そこを明らかにすべく、作家で歴史エッセイストの堀江宏樹さんに「江戸時代の職業の収入ランキング」をお聞きしてみました。

すると、収入でいえば、「江戸時代でも前期と後期では一両あたりの価値に変動があり、同じ職業でも給料の上下はあった」とのこと。また貨幣価値も、江戸時代と現代ではかなり異なるそうです。しかし今回は、あえて一般的な「高給取り」といわれる江戸時代の職業を、(天皇を除いて)教えていただきました。

※米1石=金1両、1両=10万円と計算しています。

■10位:有名医師

杉田玄白などの医師は、400~600両以上稼いでいたそうです。当時は医師がみずから薬をつくって処方したので、診療代よりも薬礼(薬の代価)で儲けられたのです。そして有名医師の処方した薬は、ものすごく高額だったといいます。江戸時代は薬代が一般的に高く、保険も効かなかったのです。

■9位:売れっ子遊女

500両(か、それ以上も可能)。小規模な藩での家老クラスの年収に相当します。ただし、ほとんどを衣装代などに費やしてしまうので、ほぼ赤字だったようです。

■8位:人気歌舞伎役者

年収500両~1,000両を超える人も。

■7位:奥女中

大奥の最高クラスの女中が「上臈御年寄」で、各方面に顔が効く彼女たちには賄賂が渡されることも。これを含めて1,200両以上稼ぐことも可能だったそうです。

■6位:芸者屋など風俗産業経営者

幕末ごろの江戸吉原にあった「大黒屋」の帳簿が奇跡的に保存されており、それによると3,500両。

その何倍以上もの収入があったと思われるのが、吉原の遊女たちをたばねている遊女屋の収入だといいます。しかしそれについては、帳簿などが一切残されていないので不明です。

■5位:関白(現代の総理大臣に相当)

数千石~1万石程度。朝廷の公家たちのトップに立つ、関白としての仕事に支給される給料のほかに、御血筋のよさでボーナスももらえました。たとえば関白の娘が大名家に嫁いだら、その大名家から娘一人につき1,000石ほどの献金が毎年もらえたようです。

■4位:上流武士(各藩の重役など)

収入は数百石程度から、大規模な藩の重役の場合には数万石におよぶ例もあります。たとえば、あの篤姫の父は薩摩藩の重役でしたが、彼の年収は1万石もありました。

■3位:豪商

江戸の大商人・三井家は一日に150両売れたといいます。換算すると、年間で54,750両。現在の価値で、5,475,000,000円(54億7,500万円)ほど。

ここから仕入れの代金や使用人の給料が差し引かれますが、相当な収入があったのは間違いありません。

■2位:大名

とくに加賀藩の前田家などの「大大名」。「加賀百万石」といわれる加賀藩ですが、実質的には120万石以上の収入があったといわれています。藩主は給料制ではないため、詳細は不明ですが、莫大な収入があったはずです。

■1位:征夷大将軍

いわゆる徳川の将軍様。給料制ではないので定かではありませんが、江戸時代の徳川家康が自由に出来たとされる収入が100万石ほど。要するに1,000億円です。徳川宗家で800万石所有。日本の3分の1が将軍家の領地扱いでした。しかし、将軍の仕事は意外にも勤務時間が長く、仕事が終わるまで拘束されたようです。

江戸時代は近代のような学歴社会でもないため、収入ランキングにはさまざまな職業が混在しているようです。出身の家柄に左右されると思いきや、経営者や遊女がランクインしているのも興味深いですね。堀江さんは「他にも探せば稼げる職業は出てくるかもしれません」とおっしゃっていましたが、江戸時代の情景を思い浮かべながら見れば、一層楽しめるランキングかもしれません。

(文/齊藤カオリ)

 

【取材協力】

堀江宏樹・・・作家・歴史エッセイスト。著書多数。性別を超えた独特の論調で、幅広いファン層をもつ。2015年10月に『乙女の真田丸』(主婦と生活社)、9月に『三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町』(幻冬舎)、7月に角川文庫版『乙女の日本史 文学編』(主婦と生活社)、1月に『乙女の松下村塾読本』(主婦と生活社)を出版。また、監修協力のクラシックバトル漫画『第九のマギア』第一巻(メディアファクトリー)なども好評発売中。

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