10代の情緒不安定は経験値&年齢の上昇とともに緩和すると判明

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2015.10.21

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「ティーンエイジャー」といえば、気分の浮き沈みが激しいお年ごろ。大人になったみなさんも、自分が10代だったころを思い出して、「どうしてあんなに感受性が豊かだったんだろう?」と不思議に思うこともあるかもしれません。

オランダにある複数の研究機関が行った最新調査によると、思春期の気分のムラは「当然」のこと。経験値が上がると次第に消えていくものなので、心配する必要はまったくないそうです。

■ティーンエイジャーの浮き沈みを調査

この調査は、オランダの大学や健康機関の研究員たちが、中~高収入の家庭の13歳から18歳の子供474人を対象に行ったもの。インターネット上で日記をつけてもらい、その日の気分を「幸せ」、「怒り」、「悲しみ」、「心配」の面で点数をつけるよう依頼したのです。

作業を行うのは1学年のうち3週間で、これを5年間にわたって追跡調査。つまり、合計で15週間分の「気分日記」ができることになります。研究者たちはここから毎日の浮き沈みを計算し、5年間での変化を分析しました。

■情緒は歳をとれば安定していくと判明

分析の結果、同じ思春期でも、年齢を重ねていくにつれ幸せ、怒り、悲しみ、心配の感情が徐々に安定していくことがわかりました。女子は男子とくらべ、幸せと悲しみの浮き沈みが大きい傾向は見られましたが、それでも思春期を通じての変化の率は男女ともほぼ同じだったということです。

研究を行った調査員は、「思春期初期における感情の浮き沈みの激しさは、人生で初めて経験する出来事が多く、それらにどう対処していいかわからないことに起因するのではないか」といいます。

日本でいうと中学1年生くらいの年齢から、たとえば初恋、勉強に関する親との対立など、感情が乱されてしまう経験に遭遇することが増えます。しかし歳を経ていくと、こうしたことに対処する方法を学んでいくことになります。そうして、感情の浮き沈みが安定していくということです。

■なかでも「心配」だけは不安定さが残る

ただし上記4つの感情のうち、「心配」だけは「年齢が上がると安定する」というパターンに当てはまらないそうです。なぜなら年齢が上がると、卒業や進学、就職など、これまでとくらべて責任が大きくなるから。研究ではそう説明しています。

とはいうものの、この研究では、最終的には思春期の気分の浮き沈みは概してそのうちなくなる、と結論づけています。もし年齢が上がっても気分のムラに変化がみられなかったりむしろひどくなったりする場合は、個人的な問題を抱えている可能性があるため、その子をきちんと観察する必要がある、としています。

今回の調査は思春期の子どもたちの話でしたが、「経験値が上がるとどう対処していいか学ぶため気分の浮き沈みは少なくなる」という点は、どの年齢においても、新しい物事をはじめた人に当てはまるかもしれませんね。

10代のお子さんを持つ子育て世代の人にとっては、「たとえ子どもが荒れていても、辛抱強くいれば落ち着くときは必ずくる」という、ホッとできる研究結果だったのではないでしょうか。

(文/松丸さとみ)

 

【参考】

Most teen mood swings decline with age-Science Daily

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