今年「3価から4価」に変わるインフルエンザ予防接種の基礎知識

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2015.10.23

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今年は早くも9月の初めに、神奈川県茅ケ崎市でインフルエンザによる学級閉鎖がありました。

インフルエンザが猛威を振るうのは12月から2月くらいの寒さが最も厳しい時期とされてきましたが、実は、数年前に新型インフルエンザが流行して以降、10月や11月に流行することも珍しくなくなってきています。

今年も、早めの対策を考えておいたほうがいいかもしれません。しかも、今年からインフルエンザの予防接種が変わるのだとか。

そこで、静岡県浜松市にある北原内科医院院長で医学博士の北原亮先生に、インフルエンザの基礎知識と今年の予防接種について教えていただきました。

■インフルエンザは「A型」「B型」の2つが危険

人間に感染するインフルエンザウイルスには、「A型」「B型」「C型」の3つがありますが、特に症状がひどくなるのは、「A型」と「B型」です。

「A型」のうち、「A香港型」や「Aソ連型」などは耳なじみがあるかもしれませんね。話題になった新型インフルエンザも「A型」の仲間です。「A型」は毒性が強く、感染力も強いため、流行すると世界的に広がってしまう恐れがあります。

一方の「B型」には、ヴィクトリア系統と山形系統があり、それぞれ遺伝子が違います。

■ワクチンは「流行の予測」でつくられていた!?

北原先生によれば、「インフルエンザは予防接種だけで完全に感染を防げるわけではありませんが、予防接種を受けておけば、インフルエンザウイルスに感染しても重症化を防ぎ、日常の社会生活の妨げになる入院や長期休養などの状態を避けることが期待できる」とのこと。

ところでインフルエンザのワクチンは、実は毎年同じものではありません。大まかにいって「A型」から2つ、「B型」から1つ、どのタイプが流行るか、その年ごとに専門機関が予測して、流行しそうな型に対応したワクチンがつくられているのです。

だから、見事予測に的中したときにはいいのですが、予測しきれずに外れてしまった年も残念ながらあったようです。

■2015年から3価から4価のワクチンへ変更に

特に「B型」は、近年、2種類のうちのどちらかの系統だけが流行るのではなく、混合した流行が続いていました。そのため、ワクチンをAB合わせて3タイプに対応した「3価」から、4タイプに対応した「4価」にしようという動きが世界的に起きてきました。

日本でも今シーズンから、この「4価」ワクチンが導入されています。これにより、B型のどちらが流行しても、また、混合した流行になっても対応できると期待されています。

ワクチンの効果が現われるのはおよそ2週間後からで、その後、約5カ月間持続するといわれています。流行してから慌てて予防接種を受けるのではなく、早めの接種が勧められるのはそういう理由なんですね。

■予防接種の料金は病院が独自に設定している

インフルエンザの予防接種は、病院によって値段が違っています。今年は特に、「3価」から「4価」になったことで値上げをしている病院がほとんどのようです。

ただし料金が違っても、使われているワクチンはほとんど同じもの。料金の違いは、仕入れるメーカーや人件費などが病院によって事情が様々に違うことから生じているようですが、効果はほぼ同じだということです。

接種を受けた人でも、受けたことで安心しきって不健康な生活をしていては意味がありません。「手洗いや咳エチケットなどを普段から行っていただくようお勧めします」と、北原先生。なお、現在妊娠中または妊娠している可能性がある方は、予防接種を希望される場合にはまず産婦人科医師に相談してくださいね。

(文/宮本ゆみ子)

 

【監修/取材協力】

※北原亮・・・医学博士。『北原内科医院』院長(静岡県浜松市西区西山町)。日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医、日本内分泌学会 内分泌代謝科(内科)専門医・評議員、日本甲状腺学会 甲状腺専門医、日本糖尿病学会 糖尿病専門医・研修指導医、日本糖尿病協会 療養指導医、『富士宮市立病院』内科(内分泌外来)非常勤医師、浜松ジャズ協会 会員、新潟清酒達人 金の達人。

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