「成功=重要な1つの決断」ではない!人生を楽にする小さな選択

  • LINEで送る
2015.10.27

suzie.20151027

『自分を変える1つの習慣』(ロリー・バーデン著、児島修訳)の目的は、著者のことばを借りるなら「心構え(マインドセット)」を変えることなのだそうです。

人生のあらゆるところで「エスカレーターに乗る(楽だが間違った道)」のではなく、「階段を使う(ちょっとキツいが正しい道)」という小さな選択をすることが、自分を劇的に変えるという考え方。

■人生を楽にするためには「犠牲」が必要

「スポーツジムに行くべきか? それとも、家でこのままダラダラしていようか?」

「これを買うべきだろうか? それとも、我慢して節約すべきだろうか?」

「もうひとがんばりして仕事に打ち込むべきか? それとも、最低限の労力で仕事を片づけてしまうべきか?」

日々の暮らしのなかにはこうした状況が無数にあるもの。

私たちは、「楽な道」を選べば人生が「楽」になると考えがちです。しかし人生を楽にするためには、「いまこの場所で、困難から逃げずにすべきことをする」という「犠牲」が必要なのだと著者はいいます。

そしてこれは、私たちの考え方を根本からひっくり返す、きわめて重要な考え。

■目の前の困難に取り組むほうが楽になる

注目すべきは、成功者がこの「犠牲」について、他の人が気づいていない法則を知っているということ。

それは、「目の前にある、しなければならないことを終わらせるのは、思っているよりも短い時間ですむ」ということだとか。

これが、私たちが日々直面するさまざまな判断に当てはまる、「苦しみのパラドックス(矛盾)」。

すなわち、「目先の楽な選択は、長い目で見た困難を招き、目の前の困難に取り組むことが、長期的には楽な人生につながる」ということ。

長期的な時間軸で見てみると、パラドックスが見えてくるわけです。

■長期的な時間軸でとらえて合理的に判断

でも成功者は、他の人たちにはない、特殊な能力を持って生まれてきたわけではないといいます。ただ、日常生活での価値判断が他の人とは違うだけ。

成功者は、感情や衝動は長続きしないことを知っているもの。そして将来のために「犠牲」を払うことができるもの。

世の中には、その場の感情に従って判断する人がたくさんいますが、成功者は物事を長期的な時間軸でとらえ、合理的に判断を下すことができるということ。

「苦しみのパラドックス」は私たちに、成功は特別な才能や幸運によって得られるのではなく、誰もが当たり前に直面している「小さな選択」の積み重ねの結果であると教えてくれるのだそうです。

その選択は、「右か左か」「上か下か」「黒か白か」を選ぶのと同じくらいはっきりしているといいます。

成功が「とてつもなく重要な1つの決断」によって得られることはめったにないもの。

むしろ、一見すると些細な、「小さな選択」の積み重ねによってつくりあげられていくものだということ。

成功とは、「エスカレーターに乗る」か「階段を使う」かを選ぶのと同じくらい単純なものだということです。

ちょっとした習慣が、人生を大きく変えることがある。もしかしたらそれは、多くの人が忘れかけていた、とても大切なことなのかもしれません。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※ロリー・バーデン(2015)『自分を変える1つの習慣』ダイヤモンド社

関連記事