数を計算するとき、他の人に数字を伝えるとき、私たちは無意識に手の形で数を表しています。
数を表すジェスチャーは多くの国に存在するものの、表現の仕方は国によってさまざま。国別に、数字を表すジェスチャーをくらべてみましょう。
■1:アメリカ・・・人差し指から順に立てていく
人によって異なる場合もあるようですが、アメリカでは多くの場合、手を握った状態から、人差し指、中指、薬指、小指、親指の順に立てて数えます。日本で人に数字を見せる場合と同じですね。
■2:中国、台湾・・・人差し指から順に立てて6以降は特殊な形
中国や台湾では10までは片手での表し方が決まっています。1~5まではアメリカ式と同じですが、6~10までは中国と台湾それぞれ別の、その数字専用の特殊な手の形が決まっています。
中国だったら6は親指と小指を立てる、7は中指、人差し指を立てて3本の指で丸をつくる、8は親指と人差し指を立てる、9は人差し指だけ立てた状態から丸めて親指にくっつける、10は人差し指と中指を立ててクロスさせて表します。
台湾の6は中国と同じですが、7は2種類の表し方があり、なんと中国の8か9と同じ。これはとても紛らわしそうです。9は手を開いた状態から小指だけ折り曲げます。10は両手の人差し指でバツを作って表します。
日本人が見たら何か断られていると勘違いしてしまいそうですね。
■3:フランス、ドイツ他北欧諸国・・・親指から順に立てていく
フランスやドイツその他の多くの北欧諸国では、手を握った状態から1で親指、2で人差し指、3で中指、4で薬指、5で小指を順に立てていきます。
4のジェスチャーは日本式に慣れている人にとってはきついかもしれませんが、小さいころからこのジェスチャーをしている人たちにとっては簡単なようです。
■4:フィリピン・・・小指から順に立てていく
フィリピンでの数え方は、手を握った状態から、小指、薬指、中指、人差し指、親指の順に立てていく方法です。日本人が手を開いた状態から数を数えはじめたときの、6~10の数え方と同じですね。
■5:インド、バングラディッシュ・・・指関節を親指で指し示す
数学が強いイメージの強いインドの数え方は、日本から見るととても不思議。親指で他の指の関節のシワを指し示して数字を表すのです。
小指の一番下の節からスタート。1のときに小指の一番下の関節、2のときは小指の下から2番目の関節、3のときは小指の一番の上の関節を同じ手の親指で触ります。
小指が終わったら薬指の下の関節から、薬指が終わったら中指、中指が終わったら人差し指と続き、片手のシワで12まで数えられます。
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外国で数字を使う機会は少なくありませんが、ジェスチャーで乗り切ろうとすると、思いもよらない数字にとられてしまうことがあるかもしれませんね。
(文/スケルトンワークス)
【参考】