1~2時間おきに目が覚める人は要注意!精神に恐ろしい影響が…

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2015.11.07

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「産後うつ」をご存知ですか?

産後2週間くらいから、気分の落ち込みやうつ症状、食欲減退などが起こってくるもので、該当者は産婦の6人に1人とも、5人に1人ともいわれる深刻な問題です。

女性ホルモンの変化が影響しているという説もありますが、はっきりした原因はまだわかっていません。

しかしこのほど、その産後うつの原因究明のカギになるかもしれない研究が学術誌上で発表されました。

キーワードは「睡眠」。

今回は、睡眠とうつ症状の関連についての最新研究結果をご紹介します。

■3つの睡眠パターンで心の健康値を測定

研究は、アメリカの医学に関する研究機関「ジョンズ・ホプキンス・メディスン」が行ったもの。

健康な男女62人をランダムに3つに分け、それぞれ

(1)就寝後、朝までに計8回こま切れに起こされる

(2)通常よりも遅い時間に就寝する

(3)通常通りの睡眠

という3通りの睡眠パターンで3泊してもらいました。

そして、毎晩ベッドに入る前に専用の質問票に答えてもらう形式で、期間中に心の健康がどのような経過をたどるかを観察。質問票では、喜びや積極性などのプラスの感情、怒りやいらだちなどのマイナスの感情を数値化し、増減を計測します。

つまり、(1)睡眠がこま切れに中断した場合と(2)睡眠時間が短い場合で、それぞれ(3)通常の睡眠に比べてプラス感情とマイナス感情がどのくらい増えたり減ったりするかを調べたのです。

■こま切れ睡眠のグループがとくに悪化!

1泊目が終わったあと、(1)と(2)のグループの参加者たちの心の健康状態は同等でした。マイナス感情がプラス感情を上回った状態で、それぞれの感情の割合もほぼ同じ。

変化は、2泊目が終わったあとに現れました。

(2)睡眠時間が短いグループでは、参加者たちのプラス感情が1泊目より12ポイント減ったのに対し、(1)こま切れに起こされるグループでは31ポイント減と、著しく大きな落ち込みを見せたのです。

さらに3泊目が終わった後の調査では、(1)のグループのプラス感情の減りはもっと大きなものになっていました。

プラス感情の減退、抑うつ症状は不眠症によくみられる反応。つまり、健康な人でも状況や生活パターンによって疑似不眠症に陥ることが確認されたのです。

「眠りがこまかく中断されると、人はノンレム睡眠に達することができません。ノンレム睡眠は入眠後90分程度で現れる深く安定した睡眠で、心の健康状態を回復させる役割を担っています。(1)のグループでは、十分なノンレム睡眠が得られないために、眠っているあいだにプラス感情を回復することができないのです」

筆頭著者であるジョンズ・ホプキンス大学のパトリック・ファイナン博士は、そう分析します。

■出産直後のママは疑似不眠症になる?

では、こま切れに睡眠が中断する人とは、具体的にはどういう人でしょうか?

ファイナン博士によれば、それはナースコールのために待機している看護師や介護ヘルパー、そして赤ちゃんを持つママだというのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、1~2時間おきにおっぱいを欲しがって泣きます。おむつもすぐにぬれてしまうので、1日に15回替えることも珍しくありません。

新生児のママは、夜通し赤ちゃんの泣き声で1~2時間おきに起こされることになるわけで、まさにこの実験でいうこま切れに睡眠が中断する人そのもの。いつ疑似不眠症に陥ってもおかしくないのです。

このように、こま切れの睡眠がプラス感情をすり減らし、心の健康に著しい悪影響を与えることが研究で示されました。

プラス感情には、積極性や喜びといった感情だけでなく、思いやりや親切心など人とのかかわりに関するものも含まれます。

生まれたばかりの赤ちゃんのお世話をしている人は世界中にたくさんいます。でも、多くの人がしているからといって、決して「簡単なこと、誰でもできること」ではないのです。

そこには大変な困難があり、健康を脅かしているケースもあります。

産後うつと睡眠のはっきりした関連や治療法は今後の研究を待たなければなりませんが、出産という大仕事を終えたばかりのママたちがとても危険な睡眠パターンに陥っていることは間違いありません。

このことをママ自身だけでなく、ぜひパパや周囲の人々にも知っておいてほしいと思います。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

Sleep interruptions worse for mood than overall reduced amount of sleep, study finds―ScienceDaily

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