海外35ヶ国でも流行中の「シンプル生活」に潜む危険な落とし穴

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2015.11.21

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ベストセラーとなった、近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片付けの魔法』(サンマーク出版)。日本国内で155万部を超えただけでなく、海外35ヶ国でも翻訳されてやはり大ヒット。全世界で200万部を超える売り上げを記録しました。

「必要のないモノに囲まれてごちゃごちゃ生きるより、大切で、手に取ってときめくモノだけを残してシンプルな生活をする」というメソッドはとてもわかりやすくて実践しやすいもの。

余計なモノは、思いきって捨ててしまったほうがいいような気がしますよね。

しかし、『「きれい」が続く片づけのアイディア&テクニック』(日本文藝社)などの著書があるホームオーガナイザーの吉島智美さんによると、そこには4つの危険な落とし穴が潜んでいるそうです。

■1:世界が広がらない

不必要なモノを捨てるのは、気持ちがいいです。まして、“手に取ってときめく”モノだけを残しているのですから、残されたのは当然、自分の好みに合うモノばかり。

そういったモノに囲まれて暮らすのは幸せですよね。でも、「価値観の違うモノを手あたり次第に排除してしまっては、世界が広がりません」と吉島さん。

ときには違和感にも寄り添い、モノを通して自分の世界を広げることも必要かもしれません。

■2:成長するきっかけを捨ててしまう

ときめきのないモノを捨てるのは、自分に負荷をかけるモノを排除してしまうこと。でも吉島さんはこういいます。

「人生で『成長したなあ』と感じるのは、無理だと思っていたことや、つらいと思うような出来事を乗り越えたときではないでしょうか。最初から『これは自分に合わない、あれは自分に負担だから嫌だ』と避けてしまっては、そうした成長の喜びを手に入れられません」

たしかに、ときめきとは正反対でも結果として幸せを運んでくれるモノも、きっとあるはずです。

■3:“持たない競争”に陥ってしまう

シンプルでミニマムな生活は確かに素敵です。それが、自分にとって“足るを知る”状態であれば問題ないのですが、ごくたまに“他人とくらべてどのくらいシンプルか”を気にしてしまう人がいるようです。

「周りとくらべ、自分が少ないから勝った、負けたと考えるのは、どちらがより高価なブランド品を持っているかの競争となんら変わりません」(吉島さん)

片づけは、決して誰かと比較するべきモノではありませんよね。いくらミニマリストが流行だといっても、他人とくらべるのはやめましょう。

■4:考えずに捨ててしまう

自分で管理できる量以上にモノを増やしてしまうのは、面倒くさがりの人に多いはず。面倒くさがりの人のなかには、片づけをする際に、どれがときめくか検証することすら面倒だと感じてしまう人もいるようです。

「ゲームのリセットボタンのように、すべてリセットしてしまおうとするのは危険です。やはり面倒でも、いま取り組むべき問題はなんなのか、しっかり考えましょう」(吉島さん)

片づけることは、自分の人生と向き合うこと。自分の感覚を大事にするのはもちろん必要ですが、安易になんでも捨ててしまうだけだと、結果的には同じことを繰り返す可能性があります。片づけは、あくまで自分の生活を快適にするための通過点。自分の人生になにが大切なのか、見極める機会にしたいですね。

(文/宮本ゆみ子)

 

【取材協力】

吉島智美・・・1969年福島県生まれ。ホームオーガナイザー、2級建築士。ワイズスタジオ建築設計事務所取締役。NPO法人日本プロフェッショナルオーガナイザー協会理事長。

住宅設計のかたわら始めた片づけアドバイスで、片づけは収納スペースの問題だけではないと気づき「片づけのプロ」に転身。住み手に合ったノウハウを提案することで「モノ」「思考」「感情」の整理をサポートしている。『大切なモノだけと暮らしなさい』(青春出版社)など、5冊の著書がある。

 

【参考】

吉島智美の「大切なモノと、自分らしく暮らす」

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