なぜ個人番号が割り振られる?マイナンバー制度導入の3つの目的

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2015.11.22

suzie.20151122

2016年1月から、マイナンバー制度がスタートします。ご存知の方も多いと思いますが、これは国民一人ひとりにID(個人番号)が割り振られるシステム。

たとえば社会保険や税制度などの手続きを行う際、これからは個人番号が必要になるわけです。

ところで『士業・コンサルタントのためのマイナンバーで稼ぐ技術』(横須賀輝尚、馬塲亮治著、飛鳥新社)は、この制度がスタートすることを「一発当てる絶好機」だと表現しています。

■士業がマイナンバーで稼ぐ技術

今後、国内企業はマイナンバー制度について担当者を置き社内周知を行い、情報管理規定をつくらなければならないことになります。

しかしマイナンバー制度自体が初めての試みである以上、社内だけでどうすることができるはずもありません。

だからこそ、対応するのは行政書士、社会保険労務士、税理士などの士業、そしてコンサルタント。

つまり法律や税金、労務管理、経営に携わる士業やコンサルタントにとって、この制度の運用開始はビジネスチャンスになるということ。

そこで本書では、マイナンバーで稼ぐための術が紹介されているわけです。

■マイナンバーは国民全員の問題

ただし、本書の価値はそこだけにあるわけではありません。

士業にとってのメリットを説くための大前提として、「マイナンバーとはなにか」という根本的な部分にも焦点を当てているのです。

マイナンバーが国民全員にとっての問題である以上、むしろ注目すべきはその点ではないでしょうか?

どんな仕事に就いていようが、日本人である以上はこの制度を避けることは不可能だからです。

そこで今回は、「マイナンバーとはなにか」という本質的な部分に焦点を当ててみたいと思います。

■マイナンバーで情報統一される

マイナンバーとは、住民票を持つすべての人に対して、それぞれ12桁の番号をつける制度。

社会保障、税制度、災害対策の3分野において、効率的に情報を管理しようというのがその目的です。

正確には「社会保障・税番号制度」というそうですが、いずれにしてもこの制度の施行によってすべての国民に固有の番号を割り当て、税務署や年金事務所など、複数の期間に存在する個人情報を紐づけし、各機関の情報連携を可能にするというわけです。

日本ではこれまで、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポート番号、納税者番号、運転免許証番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号など、各機関が個人に対してそれぞれ別個に番号をつけていました。

それがこの機会に統一され、ひとまとめに管理されるようになるのです。

つまりは複数の期間に分かれて存在する個人情報が、同一人物のものであることが確認できるようになるということ。

マイナンバーさえ照合すれば、個人の氏名や性別、住所、電話番号、出生地、生年月日はもちろん、社会保険関係の納付、納税、各種免許、口座番号、犯罪歴などの詳しい個人情報もわかるようになるというのですから、これは大きな変化です。

そしてマイナンバー制度を導入する目的は、大きく分けると3つあるといえるそうです。

■マイナンバー導入の3つの目的

(1)行政の効率化

先に触れたとおり、日本はこれまで基礎年金制度や健康保険被保険者番号などがそれぞれバラバラにつけられていました。「縦割り行政」と揶揄されたのはそのためです。

つまり同一の個人情報が各機関に分散し、「重複していながら照合されない」という、非効率的な管理がなされていたわけです。

しかしマイナンバー制度を導入すると、個人情報が番号ひとつで管理できるようになるため、無駄を省くことができるようになるのです。

(2)国民の利便性の向上

マイナンバー制度が導入されることにより、私たち国民もマイナンバーを使用し、社会保険や税関係などの行政手続きを簡単にできるようになります。

たとえば引越しの手続きの際には、面倒な手続きが不要に。前の居住地の役所から所得証明書を取って送付するといった手間がいらなくなるのです。

また、自分の年金や税金の振込記録、個人情報が役所でどのように使われたかなどのチェックも、インターネット上で確認できるようになるそうです。

(3)公平・公正な社会の実現

マイナンバーの導入により、個人の収入や、行政サービスの受給状況を国が細かく把握できるようになります。

納税負担を不当に免れることや、年金や医療給付金などを不正に受け取ることを防止し、本当に困っている人にきめ細かな支援が行えるようになるわけです。

一人ひとりの所得が正確にわかるので、その所得に対して税制控除や社会保険給付を組み合わせ、不公平をなくすための対策がとれるということ。

いわばマイナンバーは、効率と公平の実現を目指す制度なのです。

しかしその一方、情報漏洩の危険性など、数々の問題点があることも事実。

だとすれば必要なのは、正確な情報を入手することであるはず。

つまり基本的な知識をつけるという意味でも、本書には多くの人にとって大きな価値あるわけです。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※横須賀輝尚、馬塲亮治(2015)『士業・コンサルタントのためのマイナンバーで稼ぐ技術』飛鳥新社

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