今年101歳の女性報道写真家に学ぶ「人生を楽しむ秘訣」とは?

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2015.11.24

koukisin101

『好奇心ガール、いま101歳』(小学館)は、2011年に『好奇心ガール、いま97歳』(小学館)でその名を世間に知られた女性報道写真家、笹本恒子さんのいまを伝える一冊です。

年齢に臆することなく、夢や恋、おしゃれやおいしいものに貪欲に生きる人生の大先輩から、しあわせに長生きするヒントがきっともらえるはずです。

■笹本さん流「ピンチの乗り越え方」

97歳で一世を風靡した後、2014年の11月に、笹本さんは自宅で転倒、大腿骨と左手首を骨折して人事不省に陥ってしまいます。

ひとり暮らしのため、誰にも気づかれないまま22時間が過ぎた後、ようやく救出。幸い、大事には至らず、すぐに入院してリハビリの日々が始まりました。

本書には笹本さんのリハビリ中の貴重な写真が掲載されているのですが、これが素晴らしいのです。

歩行器を押しながら、前へ、前へと進もうとする彼女の顔には夢みるような、笑みとも取れる表情が浮かんでいます。大変なリハビリも、「まだしたいことがいっぱいあるからまじめに」こなし、「自由に歩けるようになりたい、いえ、なります」といい切ります。

また、着るものに無頓着にならず、リハビリ中もスカーフを巻いたり、マニキュアを塗ったり、おしゃれであることがひと目でわかります。

■どこにいても自分らしく暮らす姿勢

骨折の一件が起きるまで、笹本さんは一貫して「老人ホームには入らない」とかたくなに拒んできました。ところが、リハビリ中にさらにもう片方の大腿骨も骨折してしまい、周囲の説得もあり、ついに老人ホームに入ることを決心したそうです。

そのときも、「どうせ自分なんかみんなに迷惑をかけるだけだし……」なんてことはつゆにも思わないのが笹本さんです。

老人ホームが鎌倉にあることから、「手紙を出すとき、自分の住所を『鎌倉』と書くのが楽しみだと考えればいいわ」と自分を納得させたというのですから、本当にそのポジティブシンキングには頭が下がります。

老人ホームに入った後も、習慣の食後のワインや香水といった心の楽しみは手放さず、「どこでも自分らしく過ごせるように折り合いをつけていくことが大事だ」という笹本さん。「老人ホームは、姥捨て山ではなく、復活山」という言葉は、けだし名言です。

■苦労しても顔に出さないようにする

もちろん、1世紀も生きていれば、つらいことも悲しいこともあったと思います。実際、笹本さん自身も「本気で自殺したいと思ったことは2回あった」とあとがきで書いています。

ですが、彼女はいいます。「悲壮な顔をしていても、母親以外は誰も抱きしめてはくれない、だから陰で泣いても明るくしていた方がいい」と。そうすることで、「もうだめだ」というところまでいったとき、周りの人に助けられたことが何度もあったそうです。

今回、老人ホームに入るきっかけとなった骨折事件で救出が間に合ったのは、彼女の強運としかいいようがありません。「運も人も、明るいところに集まるのではないでしょうか」と彼女は述懐しています。

老人ホームで暮らすようになっても、「今日はなにをしようかしら」と一日を好奇心で始める笹本さん。好奇心やときめきを忘れず、なにが起こっても前向きに立ち向かう気持ちがあれば、年齢を重ねることは恐れるに足らない、というメッセージがびしびしと伝わってくる一冊です。

(文/Kinkiii)

 

【参考】

※笹本恒子(2015)『好奇心ガール、いま101歳』小学館

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