2000年から10年の間に、日本の国立大学では35歳未満の若手教員の数が1万人以上から約6,700万人にまで減少しています。
日本では研究者の育成が課題になっていますが、科学技術の分野では世界でどれくらいに位置づけられるのでしょうか?
『Insider Monkey』では、発表された論文の数、取得した特許の数などでランキングがつくられています。いま、世界の最先端がどの国なのかを見てみましょう。
■10位:スペイン
スペインは95万の論文と1,200万件の論文への引用、そして772の特許取得で10位にランクインしています。スペインの最近の科学的な研究の発展は目ざましく、特に航空宇宙工学、再生可能エネルギー、バイオテクノロジーなどの分野の研究が充実しています。
■9位:イタリア
イタリアは120万の論文を発表しており、18,000件以上も引用されています。特許は2,930取得しており、4,000人に博士号が授与されています。イタリア政府は研究開発に263億ドルの予算を割き、国を上げて科学技術の発展を目指しています。
■8位:スイス
スイスは2,466の特許を取得しん、49万の論文を発表。スイスは学生の学力の世界ランキングでも8位にランクインしています。「世界初」の発見が多く、オリオン大星雲の発見も、初めて太陽系外の惑星を発見したのもスイスの科学者です。
■7位:フランス
6,555の特許を取得しているフランスは7位です。554億ドルを研究開発費に充てています。フランスでは2015年に国際熱核融合実験炉ITERを開発しました。また、世界で初めて核廃棄物処理施設をつくったのもフランスです。
■6位:カナダ
カナダは宇宙工学の部門では3位にランクインしています。カナダは数学と科学の分野の学生が優秀なことでも知られており、学生の世界ランキングでは10位です。カナダは国で科学振興協会を作っており、科学者の養成に力を入れています。
■5位:日本
日本は54,170の特許取得で5位にランクイン。日本は学生のランキングでも7位にランクイン。教育も成果を上げているようです。
費用は削減されているイメージですが、研究開発には1,510億ドルがつぎ込まれています。最近は使用済み核燃料処理の技術開発で成果を上げています。
■4位:イギリス
230万の論文の発表、6,511の特許取得、8,000以上の博士号授与で4位にランクインしたイギリス。宇宙工学のランキングでも8位にランクインしています。
イギリスは近代科学のための基金をつくっており、幾何学を学問として発展させたロバート・グロステスト氏もイギリスの出身です。
■3位:ドイツ
学生のランキングでは13位のドイツですが、科学分野のランキングでは3位です。研究開発には1,020億ドルをつぎ込んでいます。ドイツは昔から画期的なアイディアや発明が多いことで有名です。アスピリンを発見したのもドイツです。
■2位:中国
2022年には科学的な成果でアメリカを上回るのではないかとも予測される中国。2011年の経済成長の51.7%は科学技術の発展によるものだといわれています。
中国は2006年から自主創新政策と呼ばれるイノベーションを測る政策を行っており、優秀な科学者の国外流出を防ぐ努力をしています。
■1位:アメリカ
147,652の特許取得で堂々1位のアメリカは、研究開発に4,530億ドルの予算を充てています。
アメリカは研究者の待遇がいいことでも有名。他の国出身の科学者でも、その待遇のよさからアメリカに移住する人も多いのだとか。アメリカは宇宙工学のランキングでも5位にランクインしています。
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やはり強いのはアメリカとヨーロッパ。日本もなかなか健闘していますが、実は今回のランキングでは中国の台頭により、これまでのアジア首位の座を明け渡してしまいました。これからの技術革新のために、日本も研究者の育成に力を入れていかなければなりませんね。
(文/スケルトンワークス)
【参考】