外国人は川柳が作れない?意外と難しい日本語の「5・7・5」

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2015.11.25

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「古池や 蛙とびこむ 水の音」

「飛び出すな 車は急に 止まれない」

5・7・5の音のリズムは、日本人なら誰もが「収まりがいい」と感じるリズムでしょう。このリズムを使った日本の伝統的な詞が俳句や川柳です。

季語などのルールがある俳句と違い、川柳は5・7・5のリズムさえ守ればいいというシンプルなもの。外国人にも簡単につくれそうな気がしますよね。

ところが、これは意外と難しいものなのだそう。外国人はそもそも、「音を数える」という概念がない人が多いからです。今回は普段意識しない日本語の音について、現役日本語教師のぽんさんにお聞きしました。

■外国人には川柳が難しい理由

「外国人に川柳をつくってもらうとします。説明の際に『5・7・5でつくってくださいね』と伝え、5文字・7文字・5文字のマスが書かれた用紙を配りますよね。すると、まず『料理を作る』など漢字も含めて5文字で書いてきます」

なるほど、たしかに用紙のマスには合っています。じゃあ「ひらがなで数えて」といえばいいのでは?

「いえ、『ひらがなの数を数えてください』というと、今度は『しょうらい』など小さい字も1つと数えて書いて出されるでしょうね」

えーと、では「小さいひらがなは数えません」と説明してはどうでしょう。

「すると、『びっくりした』を5文字のマスで書かれますね」

そうか! あれ? 音の数え方って思ったより難しいですね。

「そうなんです。日本人はなにも考えずに『音』を数えることができますが、外国人にとってこれは非常に難しいことなんです」

■「音を数える」概念がない!

「そもそも音を数えるという概念がない人がほとんどです。たとえば英語の『credit card』という言葉は子音と母音がセットになっておらず、はっきり発音しない音がありますよね。音ひとつひとつをはっきりと分けて発音しているわけではないので、音を数えようなんてそもそも思わないのです」

いわれてみれば、『get up』も日本人には『ゲラッ』にしか聞こえませんよね。何音かは数えにくいです。

では外国人に指導する場合はどのように教えるのですか?

「手を叩きながら発音する練習をします。『キャ・ッ・シュ・カ・ー・ド』など、ただ聞くだけではわかりにくい音の感覚がつかみやすくなります」

日本語の音は『しゃ』『きゅ』などの拗音は2文字で1音、『っ』という促音と『ー』と伸ばす長音はそれぞれ1文字で1音というルールになっているそうですが、手を叩きながら発音することで、体にこのルールをしみ込ませることができるのだそうです。

日本人にとっては簡単でも、外国人にとっては学ばなければわからない日本語のリズム。外国人に俳句や川柳を紹介するときには、この言葉のリズムも合わせて紹介してあげましょう。

(文/スケルトンワークス)

 

【取材協力】

※ぽん・・・北海道の日本語学校で留学生に日本語を教える日本語教師。留学生の思いもよらぬ質問に笑ったり悩んだりしながら日々奮闘中。

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