「この会議は2週間おきの開催です」と言われたら、次の会議はいつ行われることになるでしょうか。2週間後? それとも次は3週間後?
普段何気なく使っていますが、改めて聞かれると、ちょっと考えてしまいますよね。正しい日本語の意味としてはどうなっているのでしょうか? 「おき」の意味と使われ方を探ります。
■誰かに「2週間おき」と言われた時の対処法
そもそも「おき」ということばはどういう意味があるのでしょうか。新明解国語辞典によると、「おき」は「一定の間隔を置いて何かが規則的に繰り返されることを表す」とあります。
つまり、ことばの定義上は「それだけの感覚を置く」という意味になります。「2週間おき」と言われた場合は「2週間の間隔を空けて」というのが本来の意味になるわけです。
先の例で言えば、会議の開催は「3週間後」が正解ということになります。ただし、この場合には、3週間後のどの日なのかははっきりとは決まってはいないそうです。
「2週間おきの開催」のような言い方をされたときには、同じ曜日に開催されるのかどうかは毎回確認が必要なようです。
■短い間隔の場合には「おき」の意味に変化が
しかし、NHK放送文化研究所によると、現在では短い時間と長い時間で、「おき」ということばの使われ方が違っているのだそうです。
「1秒おき」「1分おき」といった短い時間では「毎秒」「毎分」と認識され、「1ヶ月おき」「1年おき」などの長い時間の場合は「2ヶ月に1度」「2年に1度」と認識されるのだといいます。
でも、人によってどれくらいの期間が「短い」と感じて、どれくらいの期間を「長い」と感じるかは異なりますよね。
これでは、「1週間おき」と言われたときに、「毎週」ととらえる人がいても、「2週間に1回」ととらえる人がいても不思議ではなさそうです。こうなってくると、「おき」ということばを使うのを避けたくなってきてしまいますね。
■誤解されたくない時には別の言い方をしよう
人によって使い方の異なる可能性のある「おき」ということば、誤解されては困る場面では、誤解の余地のないように別の言い方を考えたほうがよさそうです。
例えば、「1週間おき」ではなく、「2週に1回」と言えば誤解は防げますし、「1ヶ月おき」は「2ヶ月毎」、「3日おき」は「4日ごと」などのいろいろな言い方で代用することができます。
特に、スケジュールが大切なビジネスの場面では、無意識にあいまいな言い方をしてしまわないように、言い方は気をつけたいですね。
何気なく使っている「おき」。短い時間と長い時間で使われ方が違うなんて、考えたことがなかった人が多いのではないでしょうか。日本語の持つ豊かな表現を楽しみながらも、誤解されないように使い方には気をつけましょう。
(文/スケルトンワークス)
【参考】