商品を売るときはどうすればいい?知っておきたい3C分析の基本

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2015.11.30

suzie.20151130

「21世紀スキルシリーズ」は、「21世紀を生き抜くビジネススキルを提供する」というコンセプトに基づいた“ビジネスパーソンのための教科書”。

きょうご紹介する『ここからはじめる実践マーケティング入門』(グロービス著、武井 涼子執筆、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、その第6弾にあたります。

タイトルからもわかるとおり、テーマは「マーケティング」。

電通、マッキンゼー、ディズニー・ジャパンなど国内外の企業でマーケッターとしてキャリアを積み、現在はグロービス経営大学院で教鞭をとる執筆者が、その基本から最新の考え方までを幅広く解説しているのです。

しかも実際に授業を行い、その様子を収録したものなので、講義を聴くような感覚で読み進めるところが魅力。

肩肘を張らず、たしかな知識を身につけることができます。

■マーケティングの一般的な定義とは?

ところでマーケティングとは、一般的にどのように定義されているのでしょうか?

マーケティング研究がさかんに行われているアメリカの「アメリカ・マーケティング協会」の定義は、次のとおりだそうです。

「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである」

難しい表現ですが、つまりマーケティングとはプロセスであるということ。

そして経営戦略で有名なピーター・ドラッカーは次のような言葉を残しているそうです。

「マーケティングの究極の目標は、セリング(売り込み)を不要にすることだ」

商品があったとき、それを押し売りする必要がなく、買い手が「これほしいな」と思ったときにふっと買えること。

ちなみに著者が教えているグロービスでは、マーケティングをこのように定義しているのだとか。

「買ってもらえる仕組みをつくること」

これは非常にわかりやすいですね。つまり、売れる仕組みに関わることであれば、すべてがマーケティングだというわけです。

■マーケティングの「3C分析」とは?

さて、マーケティングプランの構成要素のひとつとして、著者は「3C分析」というフレームワークを紹介しています。

3Cとは、自社(Company)、顧客または市場(Customer)、競合(Competitor)を指すもの。

ある商品を売り出そうという場合、数環境を分析し、市場機会を特定することになります。

たとえば、「自社は老舗企業で、せんべいしかつくったことがない。でも、果物商だった専務がいて、実は果物に強い」、これが、自社分析。

「どうやら我々の主要顧客である40代では、せんべいよりも飴の需要が上がっているみたいだ。PM2.5の影響でみんなのどが痛くて、最近は飴をなめるらしいぞ。しかも、のど飴には飽きていて、味のバラエティが求められているらしい」、これが顧客分析。

そして、「老舗の飴のメーカーがこぞって新製品を発売してきた。でも果実味はない」、これが競合分析。

■分析からどのように戦略をまとめる?

では、これらの分析から導き出される新製品の特徴とは、どのようなものでしょうか?

「自社は果物に強い。ターゲットの市場は伸びている。新しい味も受け入れられそうだ。ライバルの商品に果物味の飴はない。じゃあ、果物味の商品をつくろう! きっと売れるし、もうかるに違いない」となるということ。

もちろんこれは一例であり、実際にはもっと細かく数字で特定していく必要があるでしょう。

「40代は市場で唯一伸びている。伸び率は年10%だから、ここに参入しない手はない。かつ、40代で、フルーツ味の飴が好きな人が半分くらいいるということがわかった。この層の飴の消費の10%をとれれば収益が上がりそうだ。卸せる店舗数やとれる棚を考慮してもいけそうだぞ」

というように、顧客分析から市場機会の特定を進めていくというわけです。

そしてマーケットを特定するうちに、ターゲットもおおよそ決まってくるもの。そこから、より細かくセグメントとターゲットを絞り込み、ポジショニングが決まれば、マーケティング戦略が完成するという流れです。

もちろんこれはほんの一例ですが、マーケティングの基礎段階から、かなりわかりやすく噛み砕いて説明されていることがわかるのではないでしょうか?

マーケティングという言葉はすっかり浸透していますが、その本質を学ぶ機会は意外に少なくないもの。

だからこそ、本書を利用して学びなおすのも悪くないと思います。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※グロービス(2015)『ここからはじめる実践マーケティング入門』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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