一の重は縁起物!意外と知らない「おせち料理に込められた意味」

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2015.12.01

osetia

お正月といえば「おせち料理」。色鮮やかなご馳走がお重いっぱい詰まったおせちには、家庭ごとの味や思い出がありますよね。いまではデパートやインターネットなどでも購入できますが、やはり手づくりに勝るものはありません。

すべてを自分でつくることはできなくても、1品でも手づくりがあれば立派な「我が家のおせち」と、料理研究家の本田明子先生はいいます。また、「無理はせず、毎年つくれそうなものを増やしていってもらえれば」とも。

そういってもらえると、「今回から挑戦してみようかな」という気持ちになれる方もいるのでは?

そんな本田先生の新著『娘に伝えたい おせち料理と季節のごちそう』(講談社)から、おせち料理に込められた意味を学んでいきたいと思います。

■一の重・二の重・三の重の意味

おせち料理の重箱が重なっているのは、「めでたいことを重ねる」という意味があるから。そして、それぞれの段にも意味があります。

重箱の段数によっても意味が違いますが、『娘に伝えたい おせち料理と季節のごちそう』では比較的つくりやすい三段重で説明されています。

まず家族の目に触れる一の重は、「神様へのお願いごとが満載の縁起物の重」です。次の二の重は、酢の物やメインディッシュが入ります。なますや、海老や鯛、お肉などを入れる場合にも二の重に。

そして三の重は煮しめの重。野菜がメインの煮物が入ります。

■8品の縁起物に込められた願い

一の重に入るのは縁起のいい品々です。その歳の願いを込めてつくり、詰めて、みんなでいただきます。『娘に伝えたい おせち料理と季節のごちそう』では、一の重に入るおせち料理として8品の縁起物の意味が紹介されています。

【栗きんとん】黄色で金運が上がるよう、家庭が豊かであるように願う一品。

【金柑蜜煮】金柑は「金冠」とも書き、黄金色で富の象徴。運を意味する「ん」も重なってまさに金運を意味するおせち料理。

【田作り】材料になる「ごまめ」は田畑の肥料として使うと豊作になったことから五穀豊穣の象徴。

【昆布巻き】昆布は「よろコンブ」。さらに「子生婦」と漢字を当てて子宝に恵まれるという意味も。

【数の子】子孫繁栄を願う食材。

【伊達巻き】昔は文書を巻物にしていたことから、学問成就を意味する。

【黒豆】丈夫で元気に働けますように、という願いを込めて。

【紅白かまぼこ】かまぼこの形は日の出を象徴する形。紅はおめでたく白は神聖な色としてお祝いシーンには欠かせない色。

■煮しめの野菜に込められた願い

三の重に入る煮しめ。この煮しめの野菜にもそれぞれ願いが込められています。

【竹の子】天に向かってぐんぐんと伸びるので、子どもの健やかな成長や出世を願って。

【にんじん】色がおめでたく、梅型に抜いてますます縁起よく。

【干ししいたけ】乾物は神様やご先祖様へのお供えにも使われる。味のうまみ役としても。

【手綱こんにゃく】心を引き締め、己を戒める。縁結びの意味も。

【れんこん】まっすぐの穴から先が見通せるように。

【ごぼう】大地に根を張るという意味でおせちに欠かせない食材。

【里いも】ひとつの種いもから子いもが増えるので子孫繁栄の意味を込めて。

【高野豆腐】節分の豆まきでも使われる大豆は魔除けの食材。特に高野豆腐はその形から「盾豆腐」と呼ばれやはり災いをよける意味がある。

【絹さや】天に向かって伸びる竹の葉をイメージ。

【海老】野菜ではないですがひげが長く、火を入れると背が曲がる海老は「ひげが伸び、腰が曲がるまで長生きを」という意味を持つ。

煮物には日常から食べる地味なもののイメージがありますが、下ごしらえのときから大きさを揃えたり、盛りつけの高さを揃えたり、買うときから見栄えのいいものを手に取るなど、おせちならではの華やかな出来上がりを想像しながらつくることがポイントです。

それぞれの意味を知ると、この素晴らしい伝統的な文化を少しずつでも継承していきたいと思えるのではないでしょうか。

本田先生がおっしゃるように、1品からでもいいと思います。『娘に伝えたい おせち料理と季節のごちそう』はつくりやすい5品のレシピからはじまりますので、きっと挑戦しやすいはず。

また、お雑煮やおせちのリメイクレシピなども載っているので、お正月に向けてこの1冊があると台所に立つのも楽しくなりそうです。気になる方はぜひ手に取ってみてください。

(文/料理家・まつながなお)

 

【参考】

本田明子(2015)『娘に伝えたい おせち料理と季節のごちそう』講談社

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