日本で約15%が選択している「在宅勤務」本場アメリカとの違い

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2015.12.07

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アメリカでは、労働者の半分が在宅勤務を選択していると『The Muse』が発表しています。

オフィスのコストや通勤時間の削減など、業務にまつわるさまざまなムダを省くアメリカらしい合理的なシステムが、在宅勤務を後押ししているようです。

一方、日本ではまだまだ在宅勤務は主流ではありません。ごく一部の会社が正社員の在宅ワーク化を進めていますが、在宅で働くことを選択している人は労働者全体の15.3%にすぎません。

ですがその雇用形態の多くは、正社員ではなく業務委託などのフリーランス契約です。日本とアメリカ、在宅勤務の実態はどのように違うのでしょうか?

■日本の在宅勤務はフルタイムで働けない人向け

クラウドソーシングサービスを運営しているランサーズ株式会社は、自社のサービスを通じて在宅で働く人を支援していることもあり、社員を在宅で、しかも遠隔地で勤務させる取り組みを進めています。

いまのところ一部の社員だけですが、介護などの事情があっても、在宅でしっかり職場に貢献できる人材が選ばれているといいます。しかも、職場で働く人よりも優秀なケースが多いのだそうです。

また在宅勤務を選ぶ人の大半が女性で、子育てや介護などでなかなか自宅を離れられない人や、地方の実家に戻らざるを得ない人が利用しているようです。

いずれにせよ日本の場合、利用者はまだ15.3%であり、しかも正社員で雇われている人はさらに人数が少ないのです。

■アメリカの在宅勤務はハードワークな人達が選択

アメリカの在宅勤務は、2008年の調査の時点で42%にも登るとされています。そしてその多くが、マネジメント層やプロフェッショナル職。

彼らはハードワークですし、より成果を高めるために柔軟な働き方をあえて選択しているということ。そして会社も、その希望に応えているというかたちです。

そして在宅勤務利用者の6割が男性との調査もあり、さらなる成果を上げるため意図的に在宅勤務を選んでいる姿が浮かび上がってきます。

■日本とアメリカの在宅勤務はこんなところが違う

しかし、毎日在宅で働いているというわけではありません。日米ともに、週に1~2回は会社に顔を出しているというのです。

さすがに、完全な在宅だと会社との間に齟齬が生まれるので、仕事の効率を考える上でも、出社するのはいい方法です。アメリカにおいても、週に1~2回は出社するような契約の人が多い様子。

遠隔地だと難しいかもしれませんが、通勤圏内に住み、あえて在宅勤務という選択肢をとっている人が多いようです。

また、これまで述べたとおり、アメリカの在宅勤務の労働者はマネジメント層やプロフェッショナル職が多く、ホワイトカラー・エグゼプションの対象になっています。

そのため、労働時間が問題になることはありません。

なおマネジメント層やプロフェッショナル職以外は、週40時間労働を超える場合、賃金の1.5倍が義務づけられています。

一方、日本の場合はオフィスで働くのと同様、1日8時間程度の労働が主流です。

日本では業務委託契約の人が多いのですが、その場合は労働と労働時間は関係ありません。あくまで成果で報酬が決まります。

アメリカで在宅勤務の人はホワイトカラーの正社員が多く、自由裁量で仕事をしているので、その裁量の一環として在宅勤務を選んでいる人が多いという印象です。

日本でも在宅勤務が主流になれば、人間関係のトラブルからも解放されるので、仕事がしやすくなるはず。

ただし、その分だけスキルが求められるので、いままで以上にプロ意識が必要になりそうです。

(文/渡邉ハム太郎)

 

【参考】

Facts That Prove Working From Home Makes You More Productive-The Muse

世界のテレワーク事情 平成24年度国土交通省出前セミナー-国土交通省

「在宅勤務」導入率42%の米国にみる3つの効用-PRESIDENT Online

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