簡単な図を書くだけ!30分以内によりおいしいパスタを作る方法

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2015.12.10

suzie

数学を難しく感じさせてしまう大きな要因が、専門性や難解な数式。そのあり方は、「理解したい」という思いを持つ人を拒絶しているようにも見えます。

しかし、そうした方向性とは異なるアプローチを試みているのが、『はたらく数学 25の「仕事」でわかる、数学の本当の使われ方』(篠崎菜穂子著、日本数学検定協会監修、日本実業出版社)。

専門的な表現や数式の類は極力少なくし、イラストや図解も豊富に使用。さまざまな仕事(職業)にまつわるエピソードを通じて、数学をわかりやすく解説しているのです。

きょうはそのなかから、主婦・主夫の仕事に焦点を当てた「ゆでたてのパスタを食べたい —PERT法—」をご紹介したいと思います。

■パスタとソースがほぼ同時にできあがる方法

主婦のA子さんが、ご主人の好物のミートソーススパゲティを夕食に決めました。ご主人からは、あと30分で帰ってくるとの連絡が。

さっそく準備にかかりますが、ソースをつくるのに意外と時間がかかり、パスタをゆですぎてしまいます。

前回はソースをつくったら、パスタが茹で上がったときにはソースが冷めてしまったため、逆にしてみたというのに……。

となれば知りたいのは、パスタもソースもほぼ同時にできあがる方法ですが、そんなときに役立つのが「PERT(パート)法」だそうです。

■PERT法を使えば効率的に料理ができる!

PERT法とは、ある仕事の各工程を図に表し、作業時間を見積もったり、効率化を探ったりする方法。なお、このときに作成する下のような図を「PERT図」と呼ぶそうです。

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そして、PERT法のおおまかな手順は以下のとおり。

(1)必要な工程をすべて書き出す。

(2)それぞれの工程にかかる時間を書く。

(3)工程の順番を決める。

(4)PERT図を作成する。

(5)PERT図を見ながら、スケジュールを決める。

特に4番目のPERT図を作成することで、作業の全体像を把握することが可能になるといいます。

たとえば、ある作業を終えるのにA、B、C、D、Eという工程が必要だとします。それぞれにかかる時間はA:5分、B:10分、C:3分、D:4分、E:6分。

A、B、Cの作業はA→B→Cの順に一連で行いますが、D、Eの作業はA、B、Cの作業とは別に行い、Cの作業時に合流し、一緒に行います。

言葉だと少しわかりにくいですが、そんなときこそPERT図。つまり、以下のようになるわけです。

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作業全体にかかる時間は最短で18分。またA、Bの作業よりD、Eの作業の方が短時間でできるので、D、Eの作業はA、Bの作業とくらべて少しゆっくり進めてよいことがわかります。

■PERT図を使ってパスタづくりも要領よく

では次に、PERT図をパスタづくりにも活用してみましょう。まずはパスタづくりの工程とかかる時間、工程の順序を分類してみます。

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そして上記を参考にPERT図を作成してみると、次のようになります。

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このPERT図を見ると、全行程を終えるためには最短でも28分かかることがわかります。

パスタの茹で上がりとソースの調理にかかる時間はほぼ同じ。ですが、よく見るとトマトをソースに加えるタイミングにトマトの下ごしらえが間に合っていないことに気づくはずです((4)(5)(6)は18分、(3)(7)(8)は11分)。

だから、A子さんはソースをつくるのに時間がかかってしまったということ。

だとすれば、トマトの下ごしらえのタイミングを考えると改善できそうですね。

いずれにしてもPERT図を活用すれば、よりおいしいパスタがつくれるということになります。

このようにわかりやすく解説されているため、数学を生活のなかに取り入れるには最適。数字が苦手な人でも楽しく読めますので、ぜひ手にとってみてください。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

篠崎菜穂子(2015)『はたらく数学 25の「仕事」でわかる、数学の本当の使われ方』日本実業出版社

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