月曜が辛い原因は寝だめ!休日に約4時間遅く起きるだけで危険?

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2015.12.14

suzie.20151213

たとえば仕事の能力が高かったとしても、身体的あるいは精神的なコンディションがよくなければ、仕事でも人生でも、ベストなパフォーマンスは実現できません。

つまりは、全体的なバランスが保たれた状態をキープすることが大切だということではないでしょうか?

そこでぜひご紹介したいのが、『はたらく人のコンディショニング事典』(岩崎一郎、 松村和夏、渡部卓監修、クロスメディア・パブリッシング)。

「アタマ」(脳科学)、「カラダ」(料理・栄養)、そして「ココロ」(メンタルヘルス)と、各分野の第一人者による共著。

各人がそれぞれの立場から、ベストなコンディションをつくるためのメソッドを多角的に解説しているのです。

きょうは第1章「カラダを鍛える37のヒント」のなかから、「睡眠時間」に関する項目をピックアップしてみたいと思います。

■休日の寝だめに効果はあるのか

土日にたくさん「寝だめ」をしておき、平日の過酷なスケジュールをこなしているという方も少なくないはず。

しかし寝だめは、かえって身体に疲れをためてしまうのだといいます。

「よく寝た次の日はあまり眠らなくても活動できる」という体感から、「寝だめ」=「睡眠を貯金する」と考えてしまいがち。

しかし実際のところ、睡眠を貯金することは不可能。むしろ休日の寝だめでは、平日にたまってしまっていた睡眠物質の負債を返済している状態にすぎないのだとか。

寝だめをすると睡眠時間のバランスをとっているように思えますが、総計して睡眠時間が同じ量になったとしても、入眠時刻と起床時刻が変動すると、睡眠のサイクルが狂ってしまうというわけです。

すると、それだけで身体の調子を崩してしまうことになります。

■ブルーマンデーは寝だめのせい

たとえば、いつも6時に起床しているところを、日曜日に10時まで眠ったとします。すると体内時計は4時間後退するので、夜眠くなる時間はいつもより遅くなります。

そして月曜日にはまたいつもどおり6時に起床するわけですが、身体は前日に10時まで眠っていたことをおぼえている状態。

そこで6時起床を早起きだと感じ、睡眠物質がよけいにたまることに。すると当然ながら月曜日は身体がだるく、憂鬱な気分で過ごすことになります。

これが、よくいわれる「ブルーマンデー」の仕組み。

その結果、週の前半は遅れてしまった体内時計を戻すために身体に疲れがたまり、ようやく週の後半で身体が慣れてきたと思ったら、また瞬時に寝だめをするので体内時計が狂ってしまうのです。これでは効率がいいはずがありません。

しかし寝だめを回避するためには、15~30分程度だけ早く横になってみるだけで大丈夫。

たったそれだけで、疲労物質を余分に返すことができるので、だいぶ身体がすっきりしたと感じるそうです。そして、週末の寝だめの時間も徐々に短くすることができるようになるといいます。

最終的な目標は、週末も平日と同じ時間に起きることができるようになること。そうなれば必然的に、以前は寝坊でつぶれてしまっていた土日の充実度も格段に変化するというわけです。

■いったい何時間睡眠がよいのか

ところで睡眠時間は、どのくらいとればいいのでしょうか?

成人男性の平均的な睡眠時間は6時間から8時間。しかし必要な睡眠時間は年齢とともに変化し、当然のことながら個人によっても大きく異なります。

脳波を用いて客観的に夜間の睡眠時間を調べた研究によると、睡眠時間は25歳で約7時間、45歳では約6.5時間、65歳では約6時間というように、夜間睡眠時間は成人してからは20年ごとに30分の割合で減少することがわかっているのだそうです。

ちなみに自分の睡眠時間が足りているかどうかを知るための手段として、日中の眠気の強さを確認する方法があるのだといいます。

昼食後に眠気を感じることがありますが、これは自然なこと。しかし昼すぎ以外の時間帯でも強い眠気に襲われる場合には、睡眠不足の可能性があるというのです。

日本人の勤労者を対象とした研究では、睡眠時間が6時間を下回ると、日中に過度の眠気を感じる人が多くなることがわかっているといいます。

■睡眠不足では作業効率の低下も

しかし睡眠不足は、疲労や心身の健康を損ねるだけでなく、仕事の作業効率を低下させ、生産性の低下や事故の危険性を高める可能性があります。

人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは、起床後12~13時間が限界。

成人男性を対象にした研究によると、起床後15時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率で、起床後17時間をすぎると飲酒運転と同じ作業能率まで低下することがわかっているというのですから驚きです。

睡眠不足が連日続くと、作業能率はさらに低下する可能性があるでしょう。もしも仕事に問題を起こすほどの眠気がある場合には、睡眠時間を伸ばす工夫が必要であると著者はいいます。

ベストコンディションを実現するためには、自分に合った睡眠時間を見つけ、習慣化することが大切だということです。

このように身近な話題を取り上げているため、とてもわかりやすい内容。カラダ・ココロ・アタマのバランスを保つために、ぜひ読んでみてください。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※岩崎一郎、 松村和夏、渡部卓(2015)『はたらく人のコンディショニング事典』クロスメディア・パブリッシング

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