松下幸之助が大切にした「3つの心」応用で夢や目標は達成できる

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2015.12.26

suzie.20151226

『心をひらく あなたの人生を変える 松下幸之助』(ジェームス・スキナー著、柴田博人、PHP総合研究所経営理念研究本部監修)の著者は、スティーブン・R.コヴィー博士のベストセラー『7つの習慣』の訳者であり、『成功の9ステップ』『お金の科学』『100%』などの自著を持つベストセラー作家。

そんな彼にとって大きな意味を持ったのは、在日アメリカ大使館に勤務していた20歳のときに松下幸之助を見かけたことだったそうです。

それがきっかけとなって、以後は『人生心得帖』『社員心得帖』『商売心得帖』など幸之助の著作を読み漁り、“幸之助哲学”を熱心に学んできたのだとか。

つまり、そんな実績をもとに書かれた本書は、松下幸之助の普遍的な人生哲学や経営哲学を、現代の若者のために翻訳・解説したものなのです。

著者は自分の役割のひとつとして、(上記『7つの習慣』がそうであったように)世のなかにとって大きく役立つ考え方やコンテンツをわかりやすく伝え、広めることを挙げています。

つまり、本書もそのひとつ。松下幸之助の考え方を熟知したうえで、エッセイ風に話を進めているのです。

■松下幸之助は人間力で成功した

ところで松下幸之助といえば、経営の神様として有名です。しかし彼の魅力は、決して業績だけではないと著者はいいます。

松下幸之助の真のすごさは、その哲学にこそあるのだということ。

小学校を4年で中退し、丁稚として奉公生活を余儀なくされた幸之助が会社を設立したのは23歳のとき。

普通の若者が大学に通っているくらいの年齢で経営の道に入ったわけですから、当然のことながら無学。したがって往々にして、社員の力に頼らなければならなかったのだそうです。

いってみれば、「技術力」ではなく、「人間力」を頼りに成功したということ。

そこに、松下幸之助という人間の魅力と力があるというわけです。

そして、その考え方の根底に根ざす大切なものが、「心」についての考え方。著作『道をひらく』から編集された「心をひらく」を引用してみましょう。

「心構えとして大切なことはいろいろあるが、一番根本になるものとして、私自身が考え、つとめているのは素直な心ということである。

経営者とはこの素直な心があって初めて生きてくるものであり、素直な心を欠いた経営者は、決して長きにわたって発展していくことはない。

素直な心とは、自分の利害とか感情、知識や先入観などにとらわれず、物事をありのままに見ようとする心である。

経営というのは、天地自然の理に従い、世間・大衆の声を聞き、社内の衆知を集めて、なすべきことを行なっていけば、必ず成功するものである。その意味では、必ずしもむずかしいことではない。(後略)」

つまり、「心」こそが経営に不可欠な要素であるということ。そして「心」には、大切な3つがあるといいます。

■「3つの大切な心」で目標達成

(1)自分の心

(2)人の心

(3)社会の心

これらに訴えかけ、それぞれの心を開き、そうすることによってみんなの力を集め、活用すること。

それが松下幸之助の哲学なのだそうです。それ以上はなく、しかし、それによって人生は成功していくという考え方です。

さて、みなさんが大切にしているものはいるものはなんでしょうか? 普段から大切にしているものと、自分自身の願いを思い浮かべてみてほしいと著者はいいます。

そして、そのうえで、大切なことをふたつ伝えたいのだそうです。

ひとつめは、その夢がどんなものであれ、それは達成可能だということ。

もうひとつは、その目標の達成は人にかかっているということ。

・自分自身をどうするのか?

・相手や周囲の人はサポートしてくれるのか?

・社会全体がその活動に共鳴し、ささえてくれるのか?

これが3つの大切な心になります。すべてが、ここにかかっているのだということです。

「経営の神様」という尺度だけで捉えた場合、私たちは幸之助のことを「自分にあまり縁のない存在」と考えてしまいがちかもしれません。

しかしその根底にある「3つの心」についての思いを確認してみれば、その考え方がさまざまな場面に応用できることがわかるのではないでしょうか?

本書には、他にも松下幸之助を知る上での重要なエピソードが多数掲載されています。彼の功績を知るという意味でも、読んでおく価値がある一冊だといえます。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※ジェームス・スキナー(2015)『心をひらく あなたの人生を変える 松下幸之助』PHP研究所

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