1回「1時間」がベター!親の家をスムーズに片づける3つのコツ

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2015.12.27

suzie.20151227

年末も押し迫りましたが、大掃除はもうお済みでしょうか? あるいは、いままさに掃除中でしょうか?

いずれにしても時期が時期だけになおさら、「自宅だけでなく、なんとか親の家の片づけもしてしまいたい」という思いを抱いている方も少なくないはずです。

しかし現実的に、親の家の片づけはなかなか大変。

渋る親を説得させるだけでもかなりの労力を使いますし、親が亡くなってからの家の片づけとなると、さらに困難なものになるはずです。

そこでぜひ参考にしていただきたいのが、『これ1冊で安心 親の家の片づけ方』(大津たまみ著、あさ出版)。

著者は、お掃除・お片づけ・遺品整理・家事代行を業務とする株式会社アクションパワーの代表。“お片づけのプロ”としても、20年のキャリアのなかで1万件以上の掃除や片づけをしてきたといいます。

また、豊富な経験のなかから「遺品整理は亡くなってからではなく、生きているうちにやるべき」だということを実感し、そのことを多くの人に伝えるために一般社団法人生前整理普及協会を設立したのだそうです。

同協会のコンセプトは「生きることを前提に、物・心・情報を整理することで幸せなエンディングを迎える」というものだそうですが、裏を返せばそれは、「生前整理」がいかに重要であるかということにもなるはず。

■親が元気なうちに「生前整理」を

遺品整理には、苦しさや後ろめたさ、難しさがあり、肉体的にも、精神的にも、経済的にも大変なのだと著者はいいます。

しかし、それらの苦悩は、親が元気なうちに「生前整理」をすることで避けることができるという考え方。そこで本書ではさまざまな角度から、「生前整理」のコツを解説しているわけです。

親の生前整理をすると決めたら、大切なのは「本気」になること。逆に本気を出さないと、前に進むことはできないといいます。

とはいえ、腕まくりをして「ガンガンいくわよ!」というような姿勢はNG。そうなってしまうと親は勢いに負け、結果的には挫折につながってしまいがちだからだそうです。

つまり、ここでいう「本気」とは勢いのことではなく、「具体化させる」という意味。ひとつひとつ、着実に形にしていくということです。

まず具体化すべきは、「いつまでに終わらせるか」というゴール。生前整理は「きょう初めてあす終わる」というようなものではなく、状況によって進み方が異なるもの。だからこそ、だいたい「半年から1年」のスパンで見るようにするべき。

そのくらいゆるめに設定し、もし半年で終わらなかったら「もう半年」というようなノリでかまわないのだそうです。

ただし、歩みはゆるやかでも、前に進み続けることだけは忘れないことが大切。足を止めない限りは、ゴールに確実に近づけるからです。

では次に、「生前整理がうまくいく3つのコツ」を見てみましょう。これらを意識すると、作業がスムーズに進むといいます。

■生前整理がうまくいく3つのコツ

(1)他のスケジュールとセットでおこなう

ポイントは、実家に顔を出す機会を活用すること。

たとえば病院に付き添ったり、孫の顔を見せに行ったりするついでに、生前整理を少しずつ進めていくというわけです。

そうすれば「日常の延長」というかたちで、無理なく生前整理が習慣化されていくといいます。

(2)1回につき約1時間を心がける

生前整理をするときは、1回につき45分から1時間くらいを目安にして進めるといいそうです。

1日におこなう回数は2回までで、合計1時間半から2時間。

もっとできそうな気もしますが、ここには重要な意味があるとか。つまり、根を詰めると疲れてしまうということです。

特に親の年代は疲れやすいものなので、休憩をとりながら進めていくことが大切。負担にならないようにすることが大切なのです。

(3)完璧を求めない

生前整理に完璧を求めるのはご法度。

なぜなら完璧であることばかりを求めると、「できたところ」よりも「できていないところ」ばかりに目がいくようになるから。

そうなると、やってもやっても達成感や満足感をえることができず、イライラが生じてしまうということです。

そしてそのイライラは、動作の遅い親に向かっていくもの。しかし親は自分なりに一生懸命やっているわけですから、それではとばっちりもいいところ。一方的に攻められたとしたら、やる気がなくなってしまっても無理はありません。

イライラしても、いいことはひとつもなし。完璧は求めないことが大切なのです。

年をとった親にとって、生前整理は決して楽なものではないはず。だからこそ、スムーズに進めていくためには「本気でやるけど、ガチガチに固めない」ことが重要。

ほんわかと暖かなムード、そしてゆるめのペースで、焦らず、止まらず、少しずつ、確実に進めていくべきだといいます。

そもそも生前整理は親にとって、精神的にも大きな負担になるものです。そこで本書を活用し、大切な作業を無理なく進めていきたいものです。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※大津たまみ(2015)『これ1冊で安心 親の家の片づけ方』あさ出版

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