新しい一年のはじまりに意識したい「おせち料理とお屠蘇」の意味

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2015.12.28

suzie.20151228

お正月が近いこの時期は、日本の伝統文化を改めて感じることのできる重要なタイミングでもあります。

事実、古来の伝統をなぞってみると、それだけで気持ちが落ち着いたりするものです。

そこでぜひおすすめしたいのが、『神様とつながる 開運ごはん』(開運料理人ちこ著、神宮館)。

「開運料理人」を自称する著者は、17歳で人生の師と出会ったことがきっかけで「食を変えると人生が変わる」ことを会得し、「声なき声を聞き、香りなき香りを聞く」“ゆにわ流”を伝授されたという人物。

身体によい自然食品をベースに、塩、水、米を厳選し、祈りを捧げながらごはんをつくるという独自のスタイルを貫いているのだそうです。

「祈り」や「運」を強調したスタンスは個性が強いだけに、賛否を分かつところかもしれません。が、少なくとも日本の伝統に根ざした根本的な考え方には、納得できるものがあるように思えます。

そこで、きょうはそのなかから「おせち料理とお屠蘇で、一年の総仕上げをする」をピップアップしてみたいと思います。

■1:おせち料理

お正月に欠かすことのできないおせち料理は、いうまでもなく日本文化の象徴。

季節の変わり目を意味する節供のたびに、神様にお供えをしたことが発祥とされているのだそうです。

そして、おせちを三が日に食べるのは、歳神様(としがみさま)が静かに過ごせるようにするため。

この期間は家事を控え、できるだけ音を立てないようにするので、縁起がよく、日持ちするものが詰められているのだとか。

■2:黒豆

ところで、おせち料理といえば、黒豆を無視するわけにはいきません。

「黒くまめまめしく」という語呂から、「陽に焼けて、まめまめしくよく働くように」という意味が込められた縁起もの。

なお、一般的な黒豆のつくり方は、次のとおりだそうです。

(1)黒豆を洗い、煮汁となる水に材料をすべて入れて煮立てたら、火を止めて黒豆とさび釘を入れて一晩置き、アクをとります。

(2)これを2、3回繰り返し、落とし蓋とふたをして、弱火で8時間ほど煮ます。

(3)煮汁がひたひたになり、黒豆が柔らかくなったら火を止め、そのまま冷まして味を含ませたら完成。

■3:お屠蘇

さて、おせちと一緒にいただきたいものといえば、お屠蘇ではないでしょうか。

正式には屠蘇延命散(とそえんめいさん)といい、一年のはじまりであるお正月にお屠蘇をいただけば、一年の邪気を祓い、寿命を延ばすといういい伝えがあるのだそうです。

「屠蘇」には、邪気を取り除き、魂を蘇らせるという意味があるのだといいます。

数種類の薬草(桔梗、白朮、桂皮、防風、陳皮、山椒、丁子)を細かく切り刻んで調合したものを「屠蘇散(とそさん)」といい、大晦日の晩に酒やみりんに浸して元旦に取り出し、若い人の生気を年長者に送る意味で、若い人から順にいただくというのが正しいいただき方。

屠蘇散とは古来、中国(魏)の華駝(かだ)という神の化身のような医師の処方により、年始に飲む薬なのだとか。日本では平安時代から、この習慣が行われているのだといいます。

こうして、おせち料理とお屠蘇をいただくことによって、歳神様のよい気をいただき、めぐり来る一年の準備をすることができるというわけです。

このように本書では、日本古来の伝統に基づいた考え方が開設されています。だだからこそ、お正月の時期にぱらぱらとページをめくってみるには最適の一冊だといえるでしょう。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※開運料理人ちこ(2015)『神様とつながる 開運ごはん』神宮館

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