「あすけん」は、食べた食事を記録すると、管理栄養士から食事改善アドバイスが受けられるダイエットサービス。2015年11月には会員が60万人を突破し、8年ほどで蓄積された食事データは2億食を超えているのだそうです。
『なぜあの人は、 夜中にラーメン食べても太らないのか?』(道江美貴子著、クロスメディア・パブリッシング)は、同サービスの事業統括責任者である管理栄養士による書籍。
1,500人の栄養士のノウハウと、60万人・2億食のデータをもとに、疲れない体と頭をつくる方法を明らかにしているのです。
■夜中にラーメン食べても太らない人の理由
この時期に多い飲み会後などには、夜中でありながら無性にラーメンを食べたくなることがあります。
「やめた方がいい」とわかっていてもつい食べてしまい、翌日になって後悔するというのもよくある話。
でも、そこまで神経質になる必要はないと著者はいいます。なぜなら、たまに食べすぎてしまったとしても、翌日以降の食事で摂取エネルギーを調整すればいいから。
毎日、「1日単位」で摂取エネルギーを調整しようとすると、ストレスがたまり、長続きしないもの。
しかし摂取エネルギーの調整は、「1週間単位」で行えば問題はないのだそうです。食べすぎた日があったとしても、その分がすぐに体脂肪になるというわけではないということです。
とりすぎてしまった糖分は、まずブドウ糖に分解されて肝臓や筋肉に蓄えられ、必要なときにエネルギーとして使われます。つまり、すぐ脂肪に変換されるわけではないのです。
ただし食べすぎが続いてしまうと、ブドウ糖が貯蔵しきれなくなるため、余った分は脂肪となって蓄積されることに。
■我慢してストレスをためないことが大切!
仕事のつきあいでの飲み会、あるいは友人や家族との食事会などで、自分だけ食べずに我慢しているのはつらいもの。しかもそれ以前に、まわりの人にも気を遣わせてしまうことになるでしょう。
そういうときは、量に気をつけながらも、好きなものを食べてOK。その方がストレスをため込まずにすむため、結果的に無理なくハイパフォーマンスを生む食習慣が続けられるというわけです。
またラーメンについていえば、食べる前に野菜ジュースを飲むのも効果があると著者はいいます。
食品会社カゴメの調査によれば、ごはんを食べる前に野菜ジュースを飲むと、肥満の原因である食後血糖値の上昇を抑えることができたというのです。
なお野菜ジュースを飲むタイミングについては、食べる15分前・30分前・60分前で試したところ、30分前がもっとも効果が高かったそうです。
■栄養士がすすめるシンプルなダイエット法
ちなみに「ちょっと太ってきたけど、本格的なダイエットをするのは面倒」という方に著者がすすめているのは、毎日、体重を測るだけのダイエット方法。
自分の体重を毎日意識することで、自然と食事などの生活週間を見なおすようになるわけです。
1日に1~2回、決められた時間に体重を測って記録するだけでOK。就寝前と起床後の2回測るだけの方法もあるそうです。
また体重の記録は、ひと目でわかりやすいようにグラフにするのがおすすめだといいます。
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他にも「太らない体」になるための方法が、わかりやすく解説されています。年末年始は食べすぎてしまいがちであるだけに、ぜひとも読んでおきたい一冊だといえるでしょう。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※道江美貴子(2015)『なぜあの人は、 夜中にラーメン食べても太らないのか?』クロスメディア・パブリッシング