2015年の箱根駅伝優勝監督に学ぶ「達成できる目標の立て方」

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2016.01.01

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ことしも1月2日と3日に大学駅伝の華「箱根駅伝」が開催されます。

2015年、往路・復路ともに1位で初優勝を決めた青山学院大学(以下、青学)で2003年に監督に就任した原さんは元電力マン。ユニークな指導法で、33年間箱根駅伝に出場すらできなかった青学を7年連続出場、初優勝へと導きました。

原さんの著書『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム)には、会社員時代の経験を生かした目標達成のノウハウが詰まっています。その中から、箱根駅伝の優勝監督ならではの方法論をご紹介。

新しい目標を立てる新年に、駅伝ファンはもちろん、目標を持つすべての人に役立つはずです。

■エースを花の2区ではなく3区に配置

原さんの持ち味は、常識にとらわれない発想力です。そのいい例が「『花の2区』だからとエースを走らせる必要はない。うちは『3区がエース』でもいい」というもの。

箱根駅伝のコースの中でも、平坦な前半から難所の権太坂になだれ込む2区は各チームのエースが出そろう注目の区間。しかし原さんは駅伝界の常識を覆します。スピードのある選手でも、2区の権太坂の後の急勾配で失速する可能性がある。本当に速い選手は後半で平地が続く3区に配置した方が合理的だ、というのです。

前例にとらわれないということは、言葉でいうほどやさしいことではありません。結果に対する責任ものしかかってくるからです。

■どん底経験がチーム作りのヒントに!

大学駅伝の風雲児・原さんの快進撃を支えるのは、会社員として培った経験です。しかしその道のりは平たんなものではありませんでした。

高校3年生の時に全国高校駅伝大会で準優勝。しかし選手としてのピークはここまで。大学では結果を出せず、箱根駅伝にも出場していません。

大学卒業後、中国電力陸上競技部に鳴り物入りで入部しますが、ここでも結果を残せず5年で退部。入社6年目で駅伝の世界から離れ、新人電力マンとして電気料金の集計などの仕事を始めますがうまくいかず、9年目に下部組織のサービスセンターへ異動。左遷でした。

どん底の原さんを変えたのは、サービスセンターで取り組んだ提案営業。コネもなく、飛び込みから始めて四苦八苦するうちに頭角を現し、トップ営業マンに上り詰めたのです。その時に身についたビジネスのノウハウが、強いチーム作りに生かされているといいます。

■道しるべを作ることで選手がやる気に

本書で語られるノウハウには、駅伝選手ではない私たちにも役立つアイデアが詰まっています。中でも、お正月の今こそ注目したいのが「育成シート」です。

これは有望な選手をスカウトするために原さんが作成するもの。オーダーメイドの成長プランを提示し「こんな風に君を育てたい」と熱烈にスカウトするのです。そんな風に誘われたら「ここでなら夢を叶えられる。ぜひ入部したい!」と思ってしまうことでしょう。それもそのはず、この育成シート、トップ営業マン時代の「提案書」がモデルだそう。

原さんは、「道しるべがあると、その後の伸び方が大きく変わってくる」といいます。この“道しるべ”は、私たちが目標を成し遂げるのにも役立つもの。さっそくその中身を見てみましょう。

■目標はA4用紙1枚にギュッと凝縮!

ポイントは“できるだけ具体的に、かつ数字に落とし込むこと”。

育成シートは、大学1~4年までの目標をA4用紙1枚にまとめます。各学年でクリアしたいタイム、出場したい大会。箱根駅伝に関しても、2年生で復路、3年生で往路を走り、4年生でエース区間、など。

私たちひとりひとりに、仕事や夢、趣味、人生においてさまざまな目標があります。

そこで、ぼんやりした「いつか成し遂げたい目標」を数字で具体的に、1年後には〇〇をする、そのためには来月までに△△をして……と、1年ごと、1ヶ月ごとの小さな目標に分落とし込み、A4用紙1枚に書き込んだ「マイ育成シート」を作ると、目標がすっきりと具体的になり、何から手を付ければいいのかがおのずと見えてくるはずです。

育成シートをはじめ、本書には原さんがビジネスと勝負の現場で獲得した47の方法論が紹介されています。これを今度はあなたが自身のフィールドで生かす番です。

箱根駅伝に胸が熱くなった人だけでなく、ことしこそは成し遂げたい目標がある人にこそ手に取ってほしい1冊。新しい1年の“道しるべ”になってくれるはずです。

(文/よりみちこ)

 

【参考】

原晋(2015)『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』アスコム

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