同じドレスを3回着ても印象が毎回違う「キャサリン妃」着回し術

  • LINEで送る
2016.01.01

suzie.20160101

明けましておめでとうございます。本年も役に立つ本をご紹介していきたいと考えております。今年もよろしくお願いします。

というわけで2016年最初は、『幸せを引き寄せる キャサリン妃着こなしルール』(にしぐち瑞穂著、幻冬舎)をご紹介したいと思います。

著者は、英国王室キャサリン妃研究家。スタイリストとして20年以上のキャリアを持ち、ロンドンでの成果雨を経て帰国してからも、キャサリン妃のリサーチを毎日休むことなく続けているという人物です。

■キャサリン妃のファッション法則

キャサリン妃といえば、庶民出身でありながらウィリアム王子の心を射止めた「現代版シンデレラ」として有名。

専属のスタイリストに頼ることなく、ご自分で購入された服をコーディネイトしていることでも知られています。着用した洋服は、登場直後に完売してしまうというほどの人気。

そして著者によれば、そのコーディネイト術には驚くほどシンプルで明確なルールがあるのだそうです。そればかりか、日本女性でもすぐに使える、賢くて簡単なメソッドもたくさんあるのだとか。

つまり本書では、世界中の老若男女すべてに好印象を与える、そんなキャサリン妃のファッションの法則が明かされているのです。

■オーソドックスな3つのパターン

キャサリン妃のワードローブは、シンプルでわかりやすいことが信条。基本は無地が多いものの、まったく柄物を着ないわけではないのだそうです。

ただし彼女が着る服は、見事なほど完全に3つのパターンに集約されているのだとか。

それは花柄、チェック、ドット(水玉)という古典的な柄。つまりは誰にでもわかりやすい定番柄を選ぶことにより、親近感を演出しているというわけです。

しかしそうはいっても、それぞれにキャサリン妃流の法則があるのだと著者は分析しています。

花柄は、英国らしさを感じさせるマルチカラーの小花柄。大きな花柄はインパクトがありすぎて派手に見えるので、避けているようだといいます。

チェックは、黒と緑のブラックウォッチ系のように同系色でまとめたもの。色を使っても、白とグレー、白とイエローなど、せいぜい2色。

ドットは、白と黒の組み合わせのように、ドットのなかでもさらに誰でも似合うモノトーン系。極端に大きなドットはないそうです。

つまり、「個性の強い柄は着ない」というスタンスが徹底しているということです。

■同じドレスを着ても小物で変化を!

しかもキャサリン妃は、同じドレスを3回も着てしまう、堂々たる「着まわしプリンセス」なのだといいます。

それでいてすごいのは、頭のてっぺんからつま先まで、完全に同じコーディネイトでは絶対に登場しないこと(カジュアルスタイルの時は別として)。

365日、毎日登場するわけではないとしても、ドレスコートやドレスというスタイルをワードローブの基本とする女性が、それをやってのけるのは大変なこと。

別々のトップスとボトムスを組み合わせる毎日なら、簡単かもしれません。しかしキャサリン妃は、バッグや靴、帽子にピアスなどの小物づかいやヘアスタイルなどを必ず少しずつ変え、イメージに変化をつけることに成功しているというのです。

また、さらに高度な技として、異なるブランドの同系色のワンピースやコート、ジャケットなどをうまく組み合わせ、驚くような着まわしもみせてくれるというのです。

■手持ちアイテムで着まわしを楽しむ

つまり「着まわしプリンセス」であるキャサリン妃は、ただ同じものを何度も着まわすのではなく、毎回なにかを変えてコーディネイトしているということ。

新しいものを買う方がよほど簡単なはずですが、着せ替え人形で遊ぶ小さな女の子のように、持っているアイテムでのコーディネイトを楽しんでいるというように見えるというのです。

だから英国民は好感を持ち、それどころか海を越えた日本人も彼女の着まわし術を楽しむことができるというわけです。

そして、そのようなコーディネイトを繰り返してきたことによって、キャサリン妃自身がプロ顔負けのセンスを磨いてきたのではないか、著者はそう分析しています。

ちなみに著者もキャサリン妃の着まわし術を踏襲し、そのポジティブな効果を実感しているのだそうです。

キャサリン妃のご成婚のころから約1年、新しい洋服は一点も買わず、持っているものだけでコーディネイトをする、しかも同じコーディネイトはしないと決め、毎日写真を撮ったというのです。

当然のことながら最初は大変だったそうですが、毎晩次の日の組み合わせを考えるうちに、だんだんそれが楽しみになってきたといいます。

本書の心地よさは、着こなしのセンスから、キャサリン妃の価値観が伝わってくることにあります。

決して派手さや華やかさに頼るのではなく、あるもので、普通に、センスよくコーディネイトする。そんな着こなしの本質を、改めて実感させてくれるのです。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※にしぐち瑞穂(2015)『幸せを引き寄せる キャサリン妃着こなしルール』幻冬舎

関連記事