貯金額1500万円以上が2割も!増加する「ソロ男」の金銭感覚

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2016.01.06

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「ソロ男」とは、想像できるとおり未婚男性のこと。『結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』(荒川和久著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)によれば、その数は増加の一途をたどっているのだそうです。

昔と違い、「夫婦と子からなる標準世帯」よりも単身世帯が上回っているのが現代。家族生活者よりもソロ生活者の方が多いわけで、ソロ男こと独身男性も、もはや少数派として片づけられないボリュームにまで成長しているというのです。

だとすれば、そこには「消費」のポテンシャルも生まれてくるはず。

そこで本書では、2014年に立ち上がった「博報堂ソロ男プロジェクト」を通じて得た調査結果を軸として、マーケティングの視点から状況を分析しているというわけです。

■自分に対してお金を使いたい人たち

ソロ男の消費行動を探るにあたって注目すべきは、彼らが「自分に対してお金を使いたい」人たちであるという事実。

たとえばこだわりの強い趣味にお金をかけ、普段の食事を筆頭とする飲食にもお金をかけ、ひとりで旅行に出かけたりもするということ。

一方、お金をかける場面と、節約する場面とを使い分けるメリハリがあるのも特徴のひとつ。主婦のように厳しく商品を選択する眼を持ち合わせていながら、一度気に入った商品は一途に指示する傾向が強いというのです。

つまり企業にとっては、息の長い優良顧客となりうる可能性があるということ。

ではそんななか、ソロ男は今後、モノとは別にどのようなサービスを利用したいと考えているのでしょうか?

■ソロ男が利用したいと考えるサービス

(1)金融系サービス

ソロ男は、生命保険や医療保険についてまったく興味を示していないのだといいます。たしかに生命保険に入ったところで、残す相手がいないのだから当然かもしれません。だから唯一、自分で受け取れる個人年金には多少興味を持っているのだとか。

しかし、だからといってソロ男が生命保険会社のターゲットにはなり得ないかといえば、そうともいえないと著者。

つまり家族がいる前提で考えられている現状の生命保険とは違う、生涯独身であるソロ男向けメリットが提供できれば、彼らを振り向かせることは可能だという考え方です。

(2)銀行系サービス

利息がほとんどつかない定期預金に、ソロ男が関心を示すはずもありません。

しかし投資信託、外貨預金、NISAなどについては、ソロ男の方が現在でも利用しており、今後の利用意向も高くなっているそうです。

そもそもソロ男は2割以上が、1,500万円以上の貯蓄額を持っているのだそうです。だとすればなおさら、金融業界も彼らに対するサービスを検討すべきだということ。

(3)消費行動系のサービス

ソロ男はもともとネットとの親和性が高いので、「宅配レンタル」「ネット通販」「ネットオークション」の利用率は高め。

加えて「電子マネー・プリペイドカード」の利用率も利用意向も高く、「マイレージ」や「ポイントカード」などへの関心も強いそうです。

またリアルな来店行動も多く、独身女性よりも、お店に入って消費しているのだといいます。

だからこそ、ネットとリアルの買いものをシームレスにつなげる「オムニチャネル」時代の強力なターゲットとして、ソロ男に注目すべきだということです。

(4)レジャー系サービス

旅行でもパックツアーに関しては、ソロ男は既婚男性とくらべて利用度も利用意向もかなり低い結果となったそうです。

これはソロ男が今後旅行しないということではなく、いままでのパックツアーが、基本的には「複数申し込み」だったため利用されなかったということ。

最近では旅行会社各社から「ひとり旅のパックツアー」が販売されているので、今後その認知度が上がっていけば、ソロ男の利用動向も上がってくるかもしれないと著者は予想しています。

(5)学び系サービス

ソロ男は、「英会話教室」「ビジネスセミナー」など、自己啓発型のサービスを積極的に利用し、利用意向も高いのが特徴。

仕事しながら平日の夜間や土日に大学院に通ったり、大学の公開講座に積極的に参加したりする人も増えているそうです。

なお、ソロ男ながらも「結婚情報サービス」に対する利用意向もわずか6%ながらあるのだといいます。

彼らが本気で結婚しようとしているのかは疑問であるものの、40代をすぎて結婚を意識するソロ男が多いのは事実。

そこで婚活サービスも、いままでのように20~30代中心ではなく、40~50代のソロ男にターゲットを広げていくのも一考だと著者は主張しています。

たしかに周囲を見回してみれば、ソロ男は決して少なくないはず。重要な消費者として可能性を持つ彼らのことを、本書を通じて知っておくのもいいのではないでしょうか?

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※荒川和久(2015)『結婚しない男たち 増え続ける未婚男性「ソロ男」のリアル』ディスカヴァー・トゥエンティワン

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