殺意も珍しくない!約7割の人が「親の存在がストレス」だと判明

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2016.01.08

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“親殺し”はもっとも罪深き行為のひとつであり、「親を殺したい」という感情を持つことさえもいけないことのように思われるもの。

しかし、そう感じたことは、いままで一度もなかったといい切れますか?

『親を殺したくなったら読む本』(石蔵文信著、マキノ出版)では、7割近くの人が「親の存在をストレスに感じる」というデータが紹介されています。

また、「殺意を覚えるほど、親の存在がストレスになっている人も珍しくない」と、著者の石蔵医師はいいます。中高年の心と体の専門家として、親子関係や夫婦関係を原因とするストレス性疾患を数多く治療してきた人物です。

ちなみにその3大原因は、「子離れできない親からの過干渉」「立派すぎる親に対する劣等感」「親の介護問題」だそうです。決して、他人事だとは思えませんよね。

今回は本書から、親子関係を見なおすヒントをご紹介したいと思います。

■まずは親へのネガティブな感情を認めよう

石蔵医師は、家族間の問題でストレスを感じている患者さんに対して、「親を殺したい」という感情を認めることから治療をスタートするといいます。

ネガティブな感情を持ってしまった自分を責めて感情を抑圧しようとすると、かえってストレスになります。だから、まずは「親を殺したい」という感情を認めてよいのだと説きます。

もちろん実際に危害を加えてはいけませんが、心のなかで「いなくなってしまえばいい」と思うのは自由なのです。

なお、「精神的な親殺し」は男子の成長における通過儀礼であると石蔵医師はいいます。思春期に息子が父親に激しい反感を覚えるのは自然なことです。

しかし、名家の跡取りや有名人、医師や弁護士を筆頭とする“先生”と呼ばれる職業など、社会的地位の高い父親を持つ息子は、「父親には到底叶わない」と根深い劣等感を持ちやすいそう。

もし、父親への劣等感を持ったままいまも苦しんでいるなら、「親は選べないけれど人生は選べる」「父親は完璧な存在ではない」と気づくことが大切だとアドバイスしています。

■「いちばん大切なのは自分」でかまわない

石蔵医師は、「親を大切にしなければいけない」というのはわかるが、自分の心身を害してまで、生活を圧迫してまで、親に尽くす必要はないといいます。

まずは自分が生き延びたいというのは、生物の本能であり当たり前のこと。だから、「一番大切なのは自分」でかまわないというのです。

それに、自分自身が満たされているからこそ、親へも余裕を持って接することができ、結果としてよりよい家族の関係を築くことにもつながるといいます。

■親をいつまでも恨み続けるのは時間の無駄

親の存在を重荷に感じるけれど、「自分のためを思ってくれているのだから」と我慢する人も珍しくないようです。しかし、親の言動に惑わされてはいけません。

たとえば、娘を自分の支配下におきたがる“毒母”はよく、「あなたのためを思って」というそうです。しかし、それは娘のためではなく、自分の思い通りに娘を動かすためです。

また、“毒母”は、「あなたのために仕事をあきらめた」「あなたのために離婚を我慢した」など、“子どものために自分が犠牲になった”という類の言葉もよく使うそう。しかし、これらも決して娘のせいではありません。

石蔵医師は、“毒母”からのストレスに悩む娘へ、「母親へのネガティブな感情を否定する必要はないが、恨み続けるのは時間の無駄」とアドバイスします。母親の存在に捉われないで、精神的にも物理的にも距離をおくのがいちばんだということです。

本書では、親に殺意を抱く3大原因「親からの過干渉」「親への劣等感」「介護問題」をはじめ、家族間の問題から生じるストレスの解決方法が具体的に紹介されています。もし、親子関係に疲れたら手に取ってみてください。きっと、心が軽くなるでしょう。

(文/オノハルコ)

 

【参考】

※石蔵文信(2015)『親を殺したくなったら読む本』マキノ出版

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