老後も不安な状況で生き残るには「もうひとつ給料袋を持つ」こと

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2016.01.11

suzie.20160111

日本のお金の問題はすでに抜き差しならぬものになっているだけに、これまでと同じ方法では解決不可能。

変革期にさしかかっている時代においては、自分の身は自分で守らなければならない。

具体的にいえば、いまこそお金について真剣に考える必要がある。

そして、明るい未来を迎えるための鉄則は、「自分のお金は自分で守る」ということ。

そう主張するのは、『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』(俣野成敏・中村将人著、日本経済新聞出版社)の著者です。

■サラリーマンはもうひとつ給料袋を

国の膨大な借金返済のため、増税や徴収強化、インフレによる物価上昇は避けることができません。しかもサラリーマンを続けていたところで、給料が上がるわけでもないでしょう。

出世しようと努力をしても、退職金だって、いくらもらえるかは不明。その証拠に、退職金制度を廃止している上場企業も増えています。

しかも法人の税制は下げる方向に向かっているにもかかわらず、個人の負担は大きくなるばかり。

もし家庭を持ちたいと思っても、経済的に難しくなりつつあります。当然、老後も不安だらけ。そして貨幣経済が激変しようとしている。

だとすれば日本のサラリーマンは、我慢し続けるしかないのでしょうか?

しかし、そんな厳しい状況のなかでも生き残り、自分や大切な家族を守っていけるだけの強力な方法があるといいます。

そのひとつが、著者の言葉を借りるなら“お金を生み出すマシン”。

つまり、会社からもらう給料袋とは別にもうひとつ、新たな給料袋を持つということだといいます。

出世レースに精を出す時間やパワーがあるならば、もうひとつの給料袋をつくり出す作業、給料袋の中身を増やす作業に力を注いだ方が、ずっと簡単にお金を増やすことができるという考え方です。

そのために大切なのは、自分のなかに「投資」の発想を持つこと。

■でも収入増で副業はやめた方がいい

会社とは別に収入を増やしたいとき、多くの人が考えるのは副業です。

たとえば自分の趣味や特技を情報商材とする「週末起業」や、会社の終業後に働く「アルバイト」などがそれ。

しかし著者は、副業とは自分の時間を売って稼ぐことにほかならないと指摘しています。

なぜなら副業は、常に「就業以外の時間を使って行う」という条件つきだから。サラリーマンである以上は、時間というものがまず中心にあり、どこまでいってもその制約を越えることはできないわけです。

そんななかでよりお金をかせぎたいと思った場合、「時間単価を上げる」か、「労働時間を増やすか」の二者択一しかないことになります。

でもサラリーマンにとって、時間単価を上げるのは難しいこと。だから、お金を増やすためには「副業で労働時間を増やすしかない」という発想になるわけです。

ところが「時間単価」「労働時間」の問題は、副業にもついてまわるもの。アルバイトなら、時給が上がるか、さらに長時間働くかのどちらかでしかお金を増やすことはできません。

しかも自分の体はひとつだけしかありませんから、どこまで副業をがんばれるかという問題もあるでしょう。

だからこそ著者は、「もっとお金を稼ぎたい」というサラリーマンの方には、「副業だけはやめた方がいい」と伝えたいのだそうです。

■副業ではなく「複業」をすればいい

一方、自分の労働時間、労働力の壁を軽々と乗り越えてしまうのが、投資家の「お金を働かせる」発想。

なぜなら彼らが行っているのは、副業ではなくで「複業」だから。いいかえれば、お金を生み出す仕組みをいくつも持っているということです。

たとえば投資案件を持っておけば、お金を生み出す仕組み1号機、2号機、3号機が同時に走りはじめることになります。

その場合、仮に1号機が転んでしまったとしても、まだ2号機と3号機が残ることになります。しかもそこに、時間の制約や自分自身の労働力は関係ありません。

投資をはじめる際の入り口では、「おいしそうな話」がたくさん目につくと著者はいいます。でも、そんなとき簡単に「それはすごい」と投資を決めてしまうのは危険なこと。

おいしい話の「“おいしさ”の根拠は、どこから来ているものなのか?」「裏づけはあるのか?」ということは、投資活動の一環としてしっかり調べておく必要があるということです。

さらに、少額を投資してみて、実際に“おいしい”リターンがあるのかをテストしてみることも大切だといいます。

そして情報の精査、すなわち「その話は、本当においしいのか否か」を見極める際の重要なファクターは、「人」なのだとか。信用できる人の話であれば、耳を傾ける価値があるということ。

そして次に見るべき点は、そのおいしい話のリターンを生み出す「仕組み」。

その話が、どのようなビジネスモデルのもとに成り立っているのかを確認するということです。

ふたりの著者は、サラリーマン出身。独立後は投資家・ビジネスオーナー・著者・講演業によって、サラリーマン時代の何倍もの収入を得ているというだけあり、説得力があります。

これからの働き方について模索している人は、読んでみるべきかもしれません。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※俣野成敏・中村将人(2015)『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』日本経済新聞出版社

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