お正月が終わりました。年末年始モードに見切りをつけ、新しい1年をスタートさせましょう。
ところでお正月といえば、神社でご縁や幸運を願うためのお賽銭が欠かせません。でも、私たちにとっては当たり前なこの習慣、海外からはどう見えるのでしょうか?
■外国人はお賽銭をどう思うの?
海外の掲示板で反応を見ていると、日本の神道の文化には敬意を払ってくれている人が多いことがわかります。
しっかりと手を清め、お賽銭を入れ、二礼二拍手一礼する……。こういった行動に美や伝統、格式を感じてくれる外国人ばかり。
でも神社でのマナーは外国人にはわからないことが多いので、それを解説した動画などがウケています。
ポップカルチャーを広めるのもいいですが、小さな神社のマナーこそ、私たちが大切にしなくてはならないものかもしれませんね。
「神は、この国を愛してるんだよ。4月に、また桜の祭りに行きたいな」
「日本人はすごく礼儀正しい人たちで、他人に敬意を払っているんだな。彼らの文化は素晴らしいと思うし、他の国にはない文化だ。日本に幸あれ」
「本当に、日本は素晴らしい国だな」
「お辞儀するのはいい運動だよな。でも、その女性が、地面に髪の毛がつかないように気をつけてほしいな」
「日本は本当にいろいろな伝統にあふれた国だよね。文化や宗教的な作法は見事な美しさだと思う。日本に行くときは絶対に神社に行くつもりだ。シントウの神社は、キリスト教徒も受け入れてくれるかな?」
「メイジジングウは間違いなくトウキョウで、日本全体でもいまのところいちばんお気に入りの場所です。トウキョウが砂漠なら、メイジジングウはオアシスって感じ。神秘的な場所だったよ!」
「私も正式な作法で参拝してみたい。シントウは私にとって、ホームみたいな存在だから。」
「私、日本と日本文化に恋しちゃってまして。だから伝統とか学べるとすごくうれしいんだよね」
「僕は心から神を信じてるっていうワケじゃないんだけど、絶対行ってみたいって気持ちになった。正しく参拝できるように、誰か傍で助けてくれるといいんだけどな 」
「もともと日本には絶対行きたいって思ってたけど、神社も『絶対に行く場所リスト』に追加完了。動画を通してでも、ポジティブなエネルギーが伝わってきたもん。実際に行ったときの感動をもうすでに想像できちゃう」
こういった素敵な声が上がっています。日本の格式あるお正月の光景は、外国人にも優れた伝統に見えるようです。素晴らしいことですね。
■お賽銭は外国紙幣でもいいの?
神様には国籍はないので、お賽銭は外国紙幣でもかまいません。でもゲームのコインはNGです。
近所の神社に聞いてみたところ、日本では、ご縁がありますようにということで5円、二重にご縁がありますようにとのことで25円などのお賽銭を投げる人が多く、ほとんどの人がお賽銭は1,000円以下なのだそうです。
ですがお正月のお賽銭を見ていると、10,000円を投げる人もちらほら。
やはり感謝の念を表すものですから、感謝の気持ちが大きければ大きいほど、金額も大きくなるのでしょう。明治神宮などですと、たまにドル札なども見かけます。
■海外では神様にお金を払うの?
それでは、海外では神様にお金を払う文化はあるのでしょうか?
たとえばキリスト教だと、教会で説教の最中にかごが回ってきます。そこに寄付というかたちでお金を入れるのです。たいていの信者さんがお金を入れています。それらが運営費にまわり、教会の補修や聖書の購入費用にあてられるのです。
キリスト教圏では寄付文化が発達しており、多くの人が寄付をします。教会では食品なども寄付で受け付けており、生活に困った人が教会からフードバンクのようなかたちで食品の提供を受けます。助け合いなのです。
イスラム教では、喜捨(バクシーシ)が盛んです。
これは寄付をすればするほど、功徳を積むという考え方で、より天国に近い存在になれます。イスラム教ではこの喜捨の精神で多くの貧しい人に寄付が行われ、生活を助けています。
また、断食のラマダンも、本来は、食事を食べられない人の気持をシェアしようという思いから始まったもの。イスラム教は分かち合いの精神を非常に大切にしています。
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どのような神様を信仰していようとも、お金を寄付することは非常に重要です。現実問題、その寄付で宗教施設が運営され、私達の心を豊かにしてくれているのですから。
神様に感謝して、今年も1年をスタートさせましょう。
(文/渡邉ハム太郎)
【参考】