通勤時間も0!従来の常識を覆す「リモートワーク」という働き方

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2016.01.19

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「リモートワーク」という言葉をご存知でしょうか? クラウドソーシングの急速な発展に伴って注目されるようになったそれは、オフィスに通勤せずに働ける新たなワークスタイルのこと。

これまでは、事前に決められた仕事やプロジェクトをフリーランサーが請け負うというかたちが一般的でしたが、ここにきてその可能性が組織にまで広がっているといいます。

つまり会社やチームに所属していたとしても、住みたい場所に住んで、通勤せずに働けるようなワークスタイル「リモートチーム」が可能になったということ。

そこで、ぜひ読んでおきたいのが、きょうご紹介する『リモートチームでうまくいく マネジメントの“常識”を変える新しいワークスタイル』(倉貫義人著、日本実業出版社)。

■どこにいても仕事ができる

著者は、リモートチームを取り入れることによって、組織ならではの安定した仕事、仲間と助け合える環境、そして好きな場所で働ける自由をすべて実現できると主張しています。

なぜなら、自らが代表を務めるソフトウェア開発会社のソニックガーデンが、まさにリモートチームの有効性を立証しているから。

たとえば東京のオフィスに通勤して働いているメンバーがいる一方、全国各地で在宅勤務をしているメンバーも数多く存在しているというのです。

しかも在宅勤務だったとしても、仕事内容や働き方、雇用形態も本社勤務の人たちと違いはないのだとか。

だとすれば、スキルさえあればどこにいても仕事ができることになり、たしかに可能性のあるワークスタイルだといえるでしょう。

■ノンストレスで仕事できる

リモートチームを採用することによって得られる最大の効果は、いうまでもなく時間の節約による生産性の向上。

なぜなら在宅勤務をすれば、通勤時間がゼロになり、移動時間や待ち時間など、どうしても削ることができなかった時間を削ることが可能になるからです。

つまり、その分の時間を生産的な仕事のために利用できるのです。

そればかりか、ゼロになるのは時間だけではありません。通勤時間がなくなるということは、通勤時に避けて通れなかった満員電車内での疲労、電車の遅延、車の渋滞などによるストレスもなくなるということ。

疲労やストレスとは無縁の状態で1日の仕事をスタートさせることができるのですから、そこには大きな精神的効果が期待できるはずです。

■オンラインで会議ができる

ところで組織やチームなどで仕事をする場合、当然のことながら会議やミーティングは必須です。

でも従来のようにオフィスで仕事をする場合、チーム内や顧客とのミーティングを開くためにはいくつものハードルを越える必要がありました。

事前に出席者の都合のよい日時を調整し、そのうえで会議室を予約するなど、さまざまな調整が必要だったわけです。

でもリモートチームでのミーティングは、各人がパソコンを持っていて、インターネットにつながる環境さえあればOK。オンラインを通じての会議が可能になるため、会議室の予約も必要ないのです。

■無駄な時間の節約もできる

ちなみに会議室を予約して使う場合、仮に1時間の予約をしていたとしたら、要件が早めに終わったとしても、なんとなく時間いっぱいまでミーティングをしてしまうということになりがち。

逆に時間がオーバーして次の予約者が来てしまったら、改めて別の場所を探さなければならなくなります。

いろんな意味で無駄が生まれるわけですが、オンラインでのミーティングなら、用件が終わった時点でサッと終えることが可能。次の人たちが集まってくることもないので、時間を節約でき、ストレスも軽減できるでしょう。

■さらに出張の概念も変わる

また、リモートチームワークが当たり前のものになってくると、出張の概念すら変わるといいます。

出先でもインターネットにつなげば、そこには普段のオフィスと同じ労働環境が生まれることになります。

つまり出張に行くからといって、チームの仕事に待ち時間などの支障が出ることもなくなるのです。

■仕事に対する意識も変わる

そしてリモートワークをはじめると、働く人の意識も変わってくるといいます。

つまり、「オフィスに行きさえすれば仕事をしているとみなされる」という従来の状態ではなくたるということ。

成果を出さない限り、仕事をしていないのと同じだということになるので、“働いているふり”が通用しなくなるのです。

それはデメリットのようにも聞こえますが、そうではないというのが著者の考え方。結果的にはよりいっそう成果を意識した働き方をメンバーに促すことになるため、チーム全体の生産性を高めることになるということです。

現代の労働環境は、被雇用者にやさしくないものであると認識されています。それは否定しようのない事実であり、特にあおりを受けやすいのは、シングルマザーなど時間に制約のある方々でしょう。

しかし、もしもリモートチームによって自らのスキルを生かすことができるのであれば、そこには従来になかった新たな可能性が生まれることになります。

より効率的な働き方へのシフトを実現させるためにも、本書には読むべき価値があると思います。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

倉貫義人(2015)『リモートチームでうまくいく マネジメントの“常識”を変える新しいワークスタイル』日本実業出版社

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