人生80歳から!天国に一番近いアイドル「KBG84」の深い話

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2016.01.26

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小浜島は、沖縄本島からさらに400キロメートル南、石垣島を中心として連なる八重山諸島のひとつ。石垣島から船で25分ほどの小さな島です。

人口は600人ほどで、学校もひとつだけ。周囲はわずか16キロメートルで、信号機はまったくなし。

サトウキビ畑が広がり、野生動物や放牧の牛などが道に出てくることもあるというのですから、なんとものどかな環境です。

KBG84(小浜島ばあちゃん合唱団)は、そんな小さな島に住む80歳から97歳までのオバァちゃんたちからなる史上最高齢のアイドルユニット。

オバァたちが“ユンタク”(沖縄の方言で、おしゃべりの意味)しているうちに始まった合唱団が母体となっているのだそうです。

「天国に一番近いアイドル」というキャッチコピーを掲げて大活躍中で、いまや海外から取材が来るほどの人気です。

『笑顔で花を咲かせましょう 歌って踊るオバァたちが紡いだ「命の知恵」』(KBG84[小浜島ばあちゃん合唱団]著、幻冬舎)は、そんなKBG84のオバァちゃんたちが長寿と健康と笑顔の秘訣を語った書籍。

「人生は80歳からが楽しい」というオバァたちの長い人生経験に基づく、明るくも深い話が展開されています。

きょうはそのなかから、「年齢」に関するいくつかのエピソードを抜き出してみましょう。

■おしゃれは何歳になっても大事!

92歳の目中トミさんは、お出かけするときには杖の色を選ぶのだそうです。2色しか持っていないのだけれど、おしゃれにしていたいという思いがあるため、どちらにするかをちゃんと考えるというのです。

そしてそんなときには、ファンデーションもきちんと塗るのだとか。

陽に焼けているから色も黒いし、シワもたくさんあるけれど、「女の身だしなみ」だからきれいにしたいと考えているのです。

洋服も、「はいむるぶし(島のなかのリゾートホテル)」に行くときにはおしゃれをするのだといいます。

「おしゃれは何歳になっても大事」が持論。なぜなら、おしゃれをしていたら笑顔になれるから。

■80歳から楽しく生きることを決意

そんなトミさんが仕事を辞めたのは、80歳のときのこと。それまではほとんど毎月、島の神事をひとりでやっていましたが、ようやく若い人たちに任せるようになったのだといいます。

いまは、いろいろなことが終わってホッとしている状態。だからこそ、これからはみんなと遊び、楽しく生きていこうと思っているというのですからすごい。KBG84での活動に、大きな張り合いがあるそうです。

■その年齢で自分ができることをやる

84歳の白保夏子さんは、ずっと小浜島にいたわけではありません。結婚して子どもができ、石垣島で生活するようになったからです。

子どもの学校の事情もあり、また生活の問題もあったため、小浜島を離れるしか手段がなかったということ。

そこで、石垣島にできたパイン工場の事務員として、57歳まで働いたのだそうです。

ちなみに「57歳まで」ということには理由があります。本当は60歳まで働くつもりだったそうですが、外国産のパインに押され、パイン工場がダメになってしまったのです。

そこで、やむなく早めの“定年退職”をしたというわけ。

つまりは順風満帆だったわけではないのですが、それでも子どもが巣立つまでは、やることがたくさんあったと振り返ります。

子どもが学校を出て一人前になるまで必死に働いたのは、「それが私の役目だ」という思いがあったから。

とはいえ、「いつかやりたい」とずっと思っていたこともあったのだといいます。まずは畑。そこで定年退職後、夢を実現するため小浜島に畑を買い、最初はサトウキビを、体がきつくなってからは野菜をつくっていたそうです。虫がつかない野菜をつくろうと、ご主人と一緒にがんばったのだとか。

そしてもうひとつは、伝統工芸として有名な小浜の織物。ただし技術が必要で、やるからには集中しないとできないものなので、やるのは定年退職跡と決めていたのだといいます。

島の生活では、歳とともに自分がやるべきことが決まっており、次になにをすべきか悩むことなどないと夏子さんはいいます。

年相応にやることがあるから、自分にできることをやり、後輩につなげていくということです。

本書に掲載されたオバァたちのメッセージは、シンプルだからこそ強く共感できるものばかり。日常生活に疲れたときにページをめくってみれば、忘れかけていた大切なことを思い出し、パワーをチャージできるかもしれません。

(文/書評家・印南敦史)

 

【参考】

※KBG84[小浜島ばあちゃん合唱団](2015)『笑顔で花を咲かせましょう 歌って踊るオバァたちが紡いだ「命の知恵」』幻冬舎

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